★☆★☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ [7]【コラム】ゴールデンウィークは土星を楽しもう ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ 土星が見ごろです。日が沈んだ頃に東の空に見え始め、夜中には南の高い空に輝 き、明け方に西の空に沈む。このように、ひと晩中、土星を楽しむことができる 時期を迎えています。 なぜひと晩中、土星を見ることができるのでしょうか。それは、土星がちょうど 「衝」と呼ばれる位置にあるからです。土星は地球よりも外側を回る惑星です が、太陽-地球-土星が一直線に並んだ位置関係にある時、これを「衝」と呼び ます。衝の位置にある土星は、地球を挟んで太陽と正反対の位置にありますか ら、太陽が西の地平線に沈む夕方には土星は東の地平線から昇り、真夜中には土 星は南中し、太陽が東の地平線から昇る明け方には土星は西の地平線へ沈むよう に動くのです。 土星を見つけるのは難しくありません。夕方には東の空、夜中には南の高い空、 明け方には西の空という動きを覚えておけば、あとはその方角に明るく輝く星を 見つけるだけです。土星と同じ方角には、1等星であるおとめ座のスピカや、う しかい座のアークトゥルスがありますが、土星はそれよりも明るいですので、 もっとも明るい星を探せば良いでしょう。スピカやアークトゥルスのような星 (正確には恒星)は瞬きますが、惑星は瞬かないということを覚えておくと、土 星を見つける時の手助けになります。 もし簡単な望遠鏡があれば、ぜひ土星を覗いてみましょう。ちゃんと輪が見える はずです。低倍率の望遠鏡でも、土星の周りにちょこんとでっぱりがついている のがわかるはずです。400年前に、人類として初めて望遠鏡で土星を見たガリレ オは、耳がついているようだと表現しました。年によって輪の見え方は違うので すが、高倍率の望遠鏡で覗いてみれば、その輪の傾きまで確かめることができる でしょう。数年前は傾きがなく、あたかも串団子のような形で見えていました が、最近の土星についてはある小学生の女の子はブタの鼻のようだと言いまし た。ガリレオとどちらが適切な表現であるかは、ぜひ皆さんの目で確かめていた だければと思います。 六本木天文クラブでも、ゴールデンウィーク中に天体観望会を開催します。土星 をはじめ、春の星空を一緒に楽しみませんか? 天文学普及プロジェクト「天プラ」 高梨 直紘