★☆★☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ [3]【コラム】「月より団子!?月を見つめて」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ 「月より団子!?月を見つめて」 あなたは、ふだんどのくらいの頻度で月を見上げていますか? 昨日は中秋の名月でした。中秋の名月と言えば、月を愛でる「お月見」です。お 月見の団子を供えて、ススキを立てて・・・。お団子の代わりに里芋を供える地 方もあって、中秋の名月を「芋名月」と呼んだりもします。このように、お月見 に団子や里芋を供えるのは、秋の収穫を感謝する意味があったためです。 では、そもそも中秋の名月とはなにを指すのでしょうか。9月の月のこと?満月 はすべからく?それとも、まさか月が一番キレイな晩が中秋の名月!? …キレイだと思うかどうかは人によりけりですが、9月ないし満月という条件も正 解ではありません。昨晩の中秋の名月も、9月ではありましたが満月に少し満た ない月でした。このメルマガの配信日は“満月”の日。満月は今晩なのです。 実は、中秋の名月は旧暦(月の満ち欠けを基に決められたカレンダー、太陰暦) の8月15日を指しています。現在私たちが使っている暦(太陽の動きを基に決め られたカレンダー、太陽暦)とは違うのです。そのため、毎年中秋の名月の太陽 暦における日付は変わります。今年は9月8日でしたが、昨年は9月19日、来年は9 月27日です。 そしてちょっと難しい話ですが、旧暦は月の満ち欠けを基に決められたカレン ダーではあるのですが、15日の夜が満月になるとは限らないのです。月の軌道が 楕円である関係などから、新月から満月になるまでの時間は必ずしも同じにはな らず、十五夜が満月になるとも限らないのです。 昨日の中秋の名月を見逃してしまった!という方へ、実は来月にもお月見の日が あります。旧暦の9月13日を十三夜といって、こちらでは栗や枝豆を供えてお月 見をします。「豆名月」、「栗名月」とも言い、芋名月と同様にこちらもなかな か美味しそうな呼び方です。今年の十三夜は10月6日。来月のお月見チャンスも お見逃しなく! そして気が早いですが、来月は満月にも注目です。何と10月8日の満月は、皆既 月食なのです!幻想的な月の姿を見られるので、こちらもお楽しみに。 都会の街明りで多くの星がかき消されている中でも、月は変わらず明るく輝いて います。この機会に少し足を止めて、月を見上げてみましょう! 参考情報: ほしぞら情報2014年9月(国立天文台) http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2014/09.html 宮野 彩 天文学普及プロジェクト「天プラ」 / 東京学芸大学