★☆★☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ [6]【コラム】「仲秋に中秋の名月を楽しもう」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ そろそろ9月。夜風に秋の気配を感じ始めました。秋といえば、食欲の秋、読書 の秋、芸術の秋、などいろいろありますが、星空を見上げるのがお好きな方に は、夜空の秋、はいかがでしょうか。 秋分近くになると、だんだん夜が長くなってきます。湿度の高かった夏に比べる と空気も澄んできて、星もクリアに見えやすくなります。綺麗に澄んだ空に浮か ぶ秋の月は、とりわけ美しいものです。 今年の中秋の名月は9月27日。六本木天文クラブでも観月会の開催を予定してい ますが、この中秋というのは旧暦8月の中日(15日)のことを指しています。よ く「仲秋」という表記も見かけますが、これは旧暦の秋にあたる7、8、9月のう ち、真ん中の8月を指し言葉で意味が違いますので、ご注意下さい。 月は年中見えますが、実は季節によって南中高度(真南に来る時の高さ)が違い ます。秋は空が澄んでいる上に、高すぎず、低すぎず、ちょうど見やすい高さに 月が昇ってくるので、お月見はうってつけなのです。月見だんごや美味しい秋の 味覚をお供に、月を楽しんでみてはいかがでしょうか。 せっかくですから、この時期の星空も愛でましょう。中秋の名月ごろの夜は、早 い時間はまだまだ夏の星座たちが主役です。夜8時頃、頭の上に明るい星で作ら れる三角形が見つかったら、それは夏の大三角形。こと座のベガ、わし座のアル タイル、はくちょう座のデネブが、その形を作っています。夏の大三角形を追い かけるよう、西寄りの空に少し地味な星でできる大きな四角の形が見えてきた ら、それは秋の四辺形と呼ばれる有名な形です。ペガスス座の胴体にあたります。 今年の中秋の名月には、ぜひ秋の夜空を楽しんで見て下さい。天気が良くなるこ とを祈りましょう。 大重 維貴乃 天文学普及プロジェクト「天プラ」