★☆★☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ [6]【コラム】「今年は見逃せない!ふたご座流星群」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ 今月の上旬に、ネットなどで「隕石か!?」と話題になったニュース、ご存じで すか?明るい光が夜空を横切る現象が、目撃されたようです。 これは「おうし座流星群」によるもの。特に明るい流星のことを「火球」と呼び ますが、おうし座流星群は火球の流れる割合の高い流星群として知られていま す。今年のおうし座流星群では、この火球が出現する確率が普段の年より高くな る当たり年だと予測されていました。 10月半ばからおよそ1ヶ月にわたって活動していたおうし座流星群ですが、実際 にご自身の目でご覧になったという方は案外少ないかもしれません。それもその はず、おうし座流星群はどんなに条件のいい空でも、多いときですら1時間に5個 程度しか現れないのです。火球を見たという方は、相当運が良いと言えるでしょ う。2001年の大出現で話題になった「しし座流星群」も11月に活動する流星群で すが、こちらも約33年の周期で派手な出現を見せる流星群であるため、この数年 は目立った活動を見せていません。 そんなおうし座流星群やしし座流星群に出会えなかった!見逃した!という方 も、大丈夫。ご安心下さい。流れ星に出会えるチャンスがぐっと高くなる季節が やってくるのです。それは「ふたご座流星群」の季節。星座占いでもおなじみの ふたご座には、その名の通り双子の兄弟、兄カストルと弟ポルックスの2つの明 るい星があります。そのうちの1つ、兄のカストルの近くから放射状に流れ星が 見えるのがふたご座流星群です。このふたご座流星群は、1月の「しぶんぎ座流 星群」、8月の「ペルセウス座流星群」とともに三大流星群と呼ばれ、たくさん の流れ星が出現することで知られています。 今年は12月15日午前3時にピークを迎えると予測されています。この時、ふたご 座は天頂付近にあり、そこから四方八方へと流れ星を降らせることでしょう。月 明かりの影響を受けることもなく、ここ数年でも特に観察のための条件が良いと されています。ピークの時刻は夜深い時間帯ですが、その時間に眺めることが難 しい方は、他の時間帯に眺めても大丈夫です。ふたご座が地平線上に出ている時 間帯であれば、街明かりのあるような都心の空でも流れ星に十分に出会えること でしょう。また、ふたご座流星群にはピークの数日前からだんだん出現数が増え ていき、ピークを過ぎると急に数が減っていくという特徴があります。ですから ピーク前の週末には流れ星を見るために、夜更かししてみるのもいいかもしれま せん。できるだけ多くの流れ星を見るには空全体を長い時間眺めることですが、 たいへん寒い時期ですから防寒対策は万全にして、冬の天体ショーを楽しみま しょう。 国立天文台では12月12日から「ふたご座流星群を眺めよう2015」キャンペーンが 行われますので、流れ星を見たら気軽に報告してみてください。六本木天文クラ ブでも12月12日と14日に観望会を予定していますので、六本木の空でも流れ星が 見えるのかぜひ確かめに来てください。 こんなに条件のいい年はそうそうありませんので、この絶好の機会をお見逃しなく! 参考:「ふたご座流星群を眺めよう2015」(国立天文台) http://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/20151212-geminids/ 土屋 智恵 放送大学 / 天文学普及プロジェクト「天プラ」