★☆★☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆★☆ [6]【コラム】「土星を見るべし、見るべし」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ 6月も半ば、すっかり日も長くなりましたね。来週には一年で夜が最も短い夏至 を迎えますが、夜20時ごろにもなれば夏の夜空を楽しめます。 この時期、南の空、低いところにはさそり座があります。その1等星アンタレス は赤く輝く明るい星です。今年はそのアンタレスの周りがちょっとにぎやかで す。というのも、惑星が近くに見えているからです。 南の空を見上げてみて下さい。明るく輝く2つの星があったらそれは火星と土星 です。そのふたつの惑星に挟まれるようにして、アンタレスも見つけることがで きるはずです。アンタレスに対して西側に火星、東側に土星が見えています。 土星も人気の天体ですよね。輪っかのある形を想像して観望会で楽しみにされて る方も多いと思います。太陽系の惑星の中でもなかなか個性的なルックスの持ち 主ですが、どんな惑星なのでしょう。 土星の表面は写真で見るとうっすら縞模様がありますが、土星の北極のあたりで は、土星の嵐が作り出す六角形の波模様があるそうです。土星に嵐。ミステリア スですね。 土星の周りを回るのは輪だけでなく、衛星もあります。その数は、確認されてい るだけでも60個は超えるそうです。中でも最近注目されているのは、エンケラ ドゥスという衛星。氷に覆われた衛星ですが、その中には海があり生命存在の可 能性をもつ星として研究されているのだそうです。ん~、神秘的。 そんな土星は地球から約15億キロメートルという、とても遠い距離にあります。 火星は先日の最接近の時でも約7,500万キロメートルでしたから、土星がとって も遠くにあることがわかります。そんなに遠くにあるのに土星は0等級で輝い ています。火星(マイナス1.4~2.0等)やアンタレス(1等星)に引けをとらない明 るさなのは、地球の9倍という大きさで太陽の光をガンガン照り返しているから です。手の届かないほど遠くにいるのに、すぐそばにいるかのような輝きを持つ 土星。なんて魅力的! そんな土星を望遠鏡や双眼鏡でも覗いてみましょう。いったいどんな姿を見せて くれるのでしょうか。ぜひあなたの目で確かめてみて下さい! 大重 維貴乃 天文学普及プロジェクト「天プラ」