★☆★☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆★☆ [4]【コラム】「十五夜グルメ」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ 一昨日の夜は十五夜でしたが、あいにくの空模様でしたね。でも、月が見えた時 間帯もあったようですが、みなさんは丸くてキラキラしたお月さまに挨拶はでき ましたか? 十五夜は、北半球の人々にとって1年間でもっとも良い月見の季節に設定されて います。中華文化圏では「中秋」とも呼ばれています。どうして「中秋」なので しょうか。十五夜は旧暦の8月15日ですが、旧暦で8月は秋(7,8,9月)の第2番目 の月にあたります。ですから「秋の中日」の意味が含まれているのです。とって も季節感が感じられる呼び方ですね。 この特別な日を、みなさんはどう過ごされましたか?お月様をじっと見つめて想 像力を働かせ、表面の模様にさまざまなものを想像してみましたか?(台湾で は)一家団欒の象徴である丸い月の光の下に、久々に家族で集まったりしました か?それとも残念ながら、今年は仕事に追われてさっぱりでしたでしょうか? せっかくウサギさんが作ったお餅のいい匂いが地球まで漂ってきている(気がす る)のですから、私たち地球人も豊作を祈りながら、おいしいもの食べて、ウサ ギさんとおいしい交流をしないといけません!旬のお芋や、日本では定番のお団 子にお餅。甘いリョクトウ餡が入っている中国発祥の月餅もいいですね。台湾で は、この日には家族と一緒にバーベキューするのが定番なのですが(本当です よ)、バーベキューソースをかけて焼いたトーストもお勧めです。月見バーガー なんかもありです。考えるだけでお腹も空いてきますね。 なんで月見でグルメの話になるの?と疑問に思う方もいるでしょう。でも、実は 月の上にウサギがいる由来は食べ物と深く関係があります。昔々、天の神様は飢 えた老人に化けて「なにか食べ物を恵んでもらえますか?」と3匹の動物に聞き ました。サルは木の実を、キツネは芋を見つけてきましたが、ウサギだけはなに も用意できませんでした。そこでウサギは自ら火の中へ飛び込んで、自分の身を 老人に捧げたのです。ウサギのその振る舞いに感動した天の神様は、ウサギを月 の宮まで連れていってそこで暮らせるようにしたのです。ちょっと悲しい伝説で すが、もし天の神様が話しかけたのがあなたなら、あなたはどんな自慢料理を用 意するでしょう? 夜のピクニックと共に星見するのは、風が涼しく過ごしやすい秋ならではの特権 です。十五夜は逃してしまった人も、まだ秋は暫く続きます。素敵なお月見弁当 を用意して、月や星を眺めながら秋の夜長を楽しんでみてはいかがでしょうか? 徐 苑齢 天文学普及プロジェクト「天プラ」