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[7]【コラム】「想像力を働かせて！秋の星空散歩へ」
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11月も半ば、朝と夜の冷え込みが激しくなってきましたね。7日は「立冬」でし
た。暦の上では冬がスタートです。日の入りの時刻は日を追うごとに早くなり、
夜が長く感じるようになってきました。

日の入り後に南西の空を見ると、ギラギラと光る一番星の「金星」が見えていま
す。金星を筆頭にひとつ、またひとつと星が見えてきて…いくつもの星が見えて
きた頃にはすっかり夜に。

秋の星空は明るい星が少なく、他の季節と比べると華やかさは控えめです。です
が、そこにまた趣を感じる秋の星空をお散歩してみましょう！

夜の8時ごろに空の真上を見ると、2等星と3等星の星4つが長方形を形づくってい
ます。テレビのようにも、座布団のようにも見えるこの星並びは「秋の四辺形」
です。ここには秋を代表する星座である「ペガスス座」がどっしりと構えていま
す。羽を生やして空を駆ける伝説の天馬の姿…この四角形だけで想像するのはな
かなか難しいものです。

星座を見るときには、豊かな想像力が求められることがしばしばあります。以
前、秋の四辺形をご案内した時に「この形は何に見えますか？」と聞いたとこ
ろ、「かめさん！」と元気よく答えてくれたお子さんがいました。どうやら亀の
甲羅にも見えるようです。

次に、南の空のやや低いところを見ると、明るい星がぽつんと光っています。少
し寂し気な雰囲気をまとっているこの星は、みなみのうお座の1等星「フォーマ
ルハウト」。秋の季節の星座で唯一の1等星です。「魚の口」という意味があ
り、みなみのうお座の口の部分にあたる星ですが、街中ではフォーマルハウト以
外の星が見えないため、こちらも想像力を働かせて魚の姿を思い浮かべてみま
しょう。

ここまで季節の星座を巡ってきましたが、今晩どの星よりも存在感があるのはま
んまるのお月さまでしょう。今日はいつもより大きめの満月が見られますよ（実
際の空で「お、確かに大きい！」と実感するのは難しいですが…）。満月の輝き
はこの季節の星々を掻き消してしまいそうなほどです。秋の星座探しでは月明か
りは眩しすぎるくらいですが、今晩だけは満月を主役にして、ゆったりのんびり
と秋の星空をお散歩してみてはいかがでしょうか？

宮野 彩
天文学普及プロジェクト「天プラ」