★☆★☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆★☆ [7]【コラム】「夏の夜空を彩る知られざる立役者たち」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ 夏の風物詩といえば花火。スカイデッキからも、各地の花火大会だけでなく、近 隣の球場で行われる花火ナイターなど種々様々な花火を観察できることでしょ う。その花火からもう少し目線をあげると、星空でも花火のように一瞬の輝きを 見せるものがあります。それは流れ星です。今年の夏の星空には木星や土星もい るので例年よりも少しばかりにぎやかですが、そんないつもの星空に流れ星が彩 りを添えてくれるのです。 流れ星はいつ、どんなところに流れるのかは誰にもわかりません。しかし、「流 星群」といって天球上のある一点から四方八方へと放射状にたくさんの流れ星が 出現することがあります。実は、夏は流星群が多くなる季節です。現在、一年間 のうちに出現するとされていると国際天文学連合によって認められた流星群の数 は112個あります。流星「群」と聞くと、たくさんの流れ星が降ってくる様子を 想像してしまうかもしれません。しかし、何年かに一度しか現れない流星群や、 毎年出現するといっても条件が整ったときでさえ一時間に数個、一晩で数個程度 しか見られない流星群も含まれているのです。 すでにピークは過ぎてしまいましたが、7月下旬頃からみなみのうお座流星群、7 月りゅう座流星群、みずがめ座δ南流星群、やぎ座α流星群、エリダヌス座η流星 群といくつもの流星群が活動をしています。中でもみずがめ座δ南流星群は少し 話題になっていたので耳にしたことがある方もいるかもしれません。みずがめ座 δ「南」流星群と言うからには「北」もあります。しかし、これらの流星群はた くさんの流星が出現するわけではないので、期待は禁物です。「見えたらラッ キー☆」くらいに思っておきましょう。 毎年8月13日頃にピークを迎えるペルセウス座流星群は言わずと知れた三大流星 群のひとつなので、影の主役となりうるかもしれません。あいにく、今年は月明 かりの影響もあるのであまり条件はよくありませんが、今後およそ一週間は見頃 ですので注目してみてください。 これに続くように、8月りゅう座流星群、みずへび座β流星群、はくちょう座κ流 星群、みずがめ座ι北流星群と活動を見せますが、どの流星群も出現数は多くあ りません。もちろん、流星群に含まれない流星も毎日ランダムに流れています。 こちらは夕方よりも明け方のほうが数が増えるので、夏休みの夜更かしついでに 見てみるとよいでしょう。 色とりどりの花火はそれぞれ形や大きさが違いますが、流れ星もひとつひとつ速 さや色が違うので、見比べてみるというのもまたひとつの楽しみ方です。距離が 遠くなると途端に見えづらくなってしまう打ち上げ花火とは違い、流れ星なら 100キロメートル程度離れた場所からでも同じ流れ星を見ることができます。特 別な道具は何もいりませんので、ぜひ夏の星空観察を楽しんでください。 土屋 智恵 天文学普及プロジェクト「天プラ」