***Astronomical Toilet Paper Project*** 天文図柄のトイレットペーパーを製作し、それを配布販売することがこのプロジェクトの目的である。 ◆なぜトイレットペーパー? もっと身近に、手軽に、そして日常的に天文と触れる場を創出できないだろうか。この目的を達成するために、私は天文図柄をプリントしたトイレットペーパーを作成・配布することを提案する。トイレットペーパーは、前出の条件を満たすと同時に低コスト・高情報量さらには古紙を材料とすることで地球環境にも優しいという長所を併せ持つ。具体的にどのようなアイディアを練っているかを紹介しよう。 ◆プリントされる図案 プリントはトイレットペーパー全体になされてされる。例えば以下のようなアイディアが考えられる。なお、ここでは便宜的にトイレットペーパーを切断するために入っている切れ目を「カット」、カットとカットの間のスペースを「1ブロック」と呼ぶ。ATPコレクターが出現するようになればしめたものであろう。 ____________________________________________________ : : : : 1ブロック : 1ブロック  :・・・・・・・・・・ : : : ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ↑       ↑ カット    カット ・距離スケールを実感  太陽系天体を、距離スケールの比をあわせるようにして順番に並べる。太陽・水星・金星・地球・月・火星・木星・・・とその距離感になにげなく触れるのがその狙いである。 ・星座88巡り  88個の星座を1ブロックごとに順番にプリントする。星座絵を入れたもの、入れないものを相互に配置するなど工夫を凝らすことで楽しめると思われる。 ・メシエ天体巡り  同様に、メシエ天体を順番に印刷する。メシエ画像・天体の簡単な説明をそれぞれ1ブロックにいれていくと勉強になる。印刷は濃淡のみで表現する。 ・天文ニュース  国立天文台で配信している天文台ニュースを印刷する。数ヶ月ごとに情報を最新のものにすることによって常に興味を持ってもらえるように工夫する。 ・なんとかシリーズ  「世界の望遠鏡シリーズ」「宇宙探査機シリーズ」「日本のプラネタリウムシリーズ」などさまざまなシリーズをプリントし、利用者がいつも新鮮な目でトイレットペーパーを眺めることが出来るように工夫する。 ・天文クイズ  最初のブロックに問題を、次のブロックに解答を1セットにする。最初のブロックには星座の星の並びを、次のブロックには星座の名前をなど。 ・天文トリビア  学研の「ひみつシリーズ」のようなミニ知識集。 ・天文学会予稿(おまけ)  天文学会の予稿集をプリントする。が、なかなか理解を得るのは大変かもしれない。 プリントされる図・文章は手間がかからないことが好ましい。図はデータベースなどから、文章は天文台ニュースなどを利用したりするのが良いだろう。ミニ知識などは大きな天文MLなどで募ってDB化しておけば後々まで利用が可能である。 ◆利用方法 ・実利用 各地の天文台・プラネタリウムなどに配布し、そこで実際に利用してもらう。他にも例えば国立天文台のある東京都三鷹市、あるいは美星町など天文に関わりの深いコミュニティに配布するのも好ましい。さらには小学校・主要駅(紙がないとこも多いはず)・国会議事堂など影響力の大きいそうなところに集中的に配布するのも戦略的に重要であろう。 ・配布 各地の観望会などでの景品、雑誌などでのプレゼント品としての提供なども行う。 ・販売 実費+α程度で各地のミュージアムショップなどで販売を行う。配布品との差をつけるために、プリントする図柄などに気を使う。 ◆クリアすべき問題 ・予算 継続的にトイレットペーパーを提供し続けるためには、黒字とはならずとも赤字にならない仕組みを考えねばならない。幸い、コストを低く抑えることが可能であると考えているが、研究助成金などを取得することも考える。 ・材料 元々、天文台で余っている古紙を有効利用できないかというところにこのアイディアは端を発している。したがって、ある程度規模が大きくなった場合に原材料である古紙を手に入れるのにコストがかかるという矛盾した状況が生まれないとも限らない。どこを活動規模のリミットに設定するかを考える必要はあるが、必ずしも最初に可能性を限定する必要は感じない。 ・人手 毎回新しい図柄をトイレットペーパー印刷用にレイアウトするのは手間である。よって、トイレットペーパー印刷に特化した印刷プログラムを開発し、人手が極力かからないようにすることを目指す。 ◆こだわり ・紙の質は良いものを ・マニアックな知識もたくさん詰め込む(もちろん、簡単な内容のものもあり) ・種類はいっぱいあるのがよろし ・あくまでも主な役割はトイレットペーパーであることを忘れずに ・楽しいひと時が過ごせるお手伝いを ◆将来計画 ・海外への輸出 ・使い終わったトイレの芯に特別プレゼントのプラスチックレンズをはめると望遠鏡に・・・ ・2つ集めると、双眼鏡に・・・ ・3つ集めると、ガイド付き双眼鏡に・・・ ◆ロードマップ ・有志により、実際に図案をプリントしたトイレットペーパーを小規模(100個程度)に制作、国立天文台内や一部プラネタリウムにて利用者の反応を調査すると同時にノウハウを蓄積する。財源はポケットマネー。 ↓ ・中規模(1000個程度)に製作し、興味を持つプラネタリウム等に配布。実験的実費販売。同時に継続的なリサイクルシステムの確立。製作効率の向上およびシステムの完成。 ↓ ・大規模(10000個〜)に製作。有志はNPOなどを立ち上げ業務を専門化し、活動をより安定的なものに移行させる。