★☆★☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ [2]【コラム】夜空に煌めくダイヤモンドを大切な人と・・・ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ クリスマスが近づき、街では美しいイルミネーションが輝く季節になりました。 夜空を見上げれば、星々が瞬いています。冬は空が澄み、星が美しく見える季節 です。 冬の夜空は、明るい星が多くとても華やかです。東京の空には、一年を通して15 個の一等星が見られます。その内、半数の7個もが冬の星座にちりばめられてい るのです。オリオン座のベテルギウスとリゲル、おおいぬ座のシリウス、こいぬ 座のプロキオン、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアル デバランです。 このうち、オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシ リウスで作る正三角形は、“冬の大三角”と呼ばれています。冬の大三角の真ん中 には、街では見ることはできませんが、淡い冬の天の川が流れています。 また、7つの1等星のうち、オリオン座のベテルギウスを除いた6つの1等星を 結ぶと、大きな六角形が夜空に浮かび上がります。これは“冬のダイヤモンド”と 呼ばれています。夜空に輝くとても豪華なダイヤモンドですね。 代表的な冬の星座のひとつ、オリオン座の星の並びは、ギリシャ神話では狩人オ リオンに見立てられていますが、タイの神話では、オリオン座の2つの1等星は 愛し合う男女のお墓に見立てられています。ふたりはとても仲がよく「死んでも 一緒にいよう」と誓っていました。ふたりは不幸にも若くして死んでしまい、そ れを悲しんだ人々が、ふたりがずっと一緒にいられるようにと隣同士に埋葬しま した。しかし、それを快く思っていなかった男の母親は、ふたりのお墓を隔てる ように3本の竹を立てました。この3本の竹がオリオンの3つ星にあたります。 この神話はとても悲しいお話ですが、ずっと一緒にいたいと思えるほど好きな人 がいるというのはとても素敵なことだと思いませんか。 冬の夜は寒いですが、星の輝きがとても綺麗な季節です。あなたも、大切な人と 一緒に、夜空に煌めく冬のダイヤモンドを探してみませんか? 川越至桜 東京大学 生産技術研究所 特任研究員