★☆★☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ [2]【コラム】12月14日 ふたご座流星群 ☆彡 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ 冬になり、寒い日々が続いていますが、今の時期は1年の中でもっとも空が澄ん でいる季節でもあります。冬の夜に空を見上げると、他の季節より多くの明るい 星たちを楽しむことができるでしょう。オリオン座やふたご座をはじめとした、 1等星を含む星座が冬の夜空には多く存在しているのに加え、夜8時頃には、南の 空にマイナス3等級ほどにもなる一際明るい木星がいることなどがその理由です。 そんな今の季節におススメする天文現象は、『ふたご座流星群』です。ふたご座 流星群は三大流星群のひとつで、毎年多くの流星を見ることができます。今年、 そのふたご座流星群が出現のピーク(極大)を迎えるのは、12月14日の深夜から 15日未明の時間帯だと予測されています。半日から一日程度活発な活動が継続す るので、その時間帯であれば、多くの流星を見ることができるでしょう。 より多くの流れ星を楽しむためのポイントが3点あります。(1)できるだけ街明か りの少ない場所で目を暗闇に慣れさせ、(2)長時間がんばれるように防寒対策を し、(3)視野を広くして空全体を眺めてみましょう。流星群はふたご座にある放 射点を中心に空全体に流れます。ですので、仰向けに寝転がりながら観測をする のもおススメです。 ここで、流星について少しお話しましょう。流星の正体は、宇宙に漂う大きさが 0.1mmから数cmの塵(ちり)です。このとても小さな塵が、高速で地球の大気に 飛び込んでくる時に、摩擦によって大気が熱せられて、一瞬だけ光を放つのです。 一方、この塵のもととなるのが、彗星(ほうき星)です。彗星は、地球のような 惑星と同じく、太陽の周りをまわる太陽系の天体です。細長い楕円軌道を描きな がら太陽のまわりをまわる途中でちょうど太陽に近付いたとき、氷が溶けて塵と ともに放出され、それが太陽光を反射して尾のように見えるのです。こうして放 出された塵が彗星の軌道上にたくさん残っており、この塵の集まりに地球が突入 すると、流星群としてたくさんの流星が見えると考えられています。 今よりずっと昔、約46億年前に原始地球が誕生した頃は、毎日のように激しい流 星雨が降り注いでおり、流星の塵が原始地球に降り注ぐ年間総質量は現在の約 100倍にも達していた、と考えられています。彗星は、生命の元となる有機物に 富むことから、地球生命の起源は彗星からやってきたのではないかとも予測され ています。そのため、現在多くの研究者が生命の起源を求めて彗星や流星の研究 をしています。もし、地球上の生命や私たちの身体が流星の一部だとしたら、と てもロマンチックですよね。 六本木天文クラブでは、12月10日と14日にスカイデッキ観望会を行ないます。街 明かりで明るい六本木の夜空ですが、地上238mのスカイデッキから見上げる広い 空には遮るものもないため、多くの星が見られることでしょう。 師走のこの時期、流星の繰り広げる天体ショーでほっと一息してみては? 天文学普及プロジェクト「天プラ」 野沢 由依