★☆★☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ [5]【コラム】伝統的七夕にペルセウス座流星群をみよう☆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ 梅雨も晴れ、夏の星空がより一層と輝く季節となりました。旧暦の7月7日を 「伝統的七夕」と呼びますが、今年は8月13日。ちょうどペルセウス座流星群 の見頃と同じ日にあたります。ペルセウス座流星群は、1月のしぶんぎ座流星 群、12月のふたご座流星群と並んで「三大流星群」と呼ばれるほど、たくさん の流星が見られることが知られています。更に今年は、月明かりの影響をほとん ど受けないため、例年よりも多くの流星が見られるチャンスです。 特に多くの流星が流れる時間帯は、8月12日の真夜中前後から8月13日の明 け方前にかけてだと予測されています。この前後2日程は普段よりも多くの流星 が流れますので、晴れている時を見計らって観測にチャレンジしてみましょう。 観測のポイントは、できるだけ街灯の少ない暗い場所で、なおかつ周りに高い建 物のない場所へ行くことです。目が暗さに慣れるには15分程かかることを踏ま えると、しばらくの間落ち着いて観測できる環境がいいでしょう。流星はペルセ ウス座の方角から全天へまんべんなく流れますので、空全体を見渡すようにします。 さて、そもそも流星とは何なのでしょうか。夜空に輝く星々とは一体何が違うの でしょうか。夜空に輝く「恒星」と呼ばれる星々は、太陽のように自ら光り輝い て見えます。一方、流星の正体は、宇宙空間を漂う砂粒程度の大きさの塵(ち り)です。塵が地球の大気に飛び込んできたときに、大気を熱することで一瞬だ け光って見えるのです。塵は宇宙空間を1秒間におよそ40キロメートルの速度 で、地球は太陽の周りを1秒間におよそ30キロメートルの速度で移動していま す。例えば、その両者が真正面からぶつかると、1秒間におよそ70キロメート ルというとてつもない速度でぶつかることになります。その光は、夏の大三角の 中でも一番明るいおりひめ星(こと座のベガ)より明るいものもあるほどです。 流星の塵は小さいながらも、とてつもないエネルギーを持っているのです。 ひょっとすると、本当に願いが叶いそうですね。 六本木天文クラブでは、8月13日に旧暦の七夕特別観望会を行います。地上 238メートルのスカイデッキから見上げる空には遮るものが何もなく、夏の明 るい星座を辿ることができます。もしかすると、おりひめ星や彦星を横切る明る い流星が見られるかもしれません。 伝統的七夕の8月13日に短冊に願い事を書いて、ペルセウス座流星群に願いを 唱えれば、よりご利益があるかもしれませんね。ダブルで願い事を唱えられるこ の機会をお見逃しなく! 天文学普及プロジェクト「天プラ」  松倉 由依