★☆★☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ [3]【コラム】「神話で親しむ秋の星座」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ 本日、10月8日(水)は、皆既月食。今夜は、晴れて月食が見えているといいですね。 さて、この時期の星空はどんな様子なのでしょうか。秋の夜空には、一等星がみ なみのうお座のフォーマルハウトしかなく、ちょっと見た感じは地味な印象で す。しかし、そこにギリシャ神話のお話が加わると、あら不思議!イキイキと星 座たちが見えるようになってくるのです。 秋の代表的な星座をあげてみると、アンドロメダ座、ペガスス座、うお座、みな みのうお座などなどです。そう聞いて、あぁ、あの星たちね!と、すぐイメージ できた方は、星空通!でも、どれがどこにある星座なのかサッパリ…という方も ご安心下さい。それがふつうです。では、神話に絡めて秋の星座たちを少し紹介 してみましょう。 秋の夜空に探すべきは、よく目立つ大きな四角形の星の並びです。これは、秋の 四辺形とも呼ばれるペガスス座の一部です。ペガスス座の東隣にはアンドロメダ 座が、そしてこの二つの星座を囲むようにペルセウス座、カシオペヤ座、ケフェ ウス座、くじら座があります。これらの星座たちは、ある物語の登場人物たちな のです。 ざっくり説明しましょう。昔、エチオピアという国に、ケフェウス王とカシオペ ヤ王妃がいました。ふたりの間には美しいアンドロメダ姫がいたのですが、カシ オペヤ妃が娘のアンドロメダの美しさを自慢しすぎてしまったことで、海神ポセ イドンの怒りを買ってしまいます。ポセイドンは大きな化けくじらをエチオピア に差し向けて大暴れさせ、生けにえとしてアンドロメダを差し出させます。海沿 いの岩場に括り付けられ、まさに化けくじらに飲まれんとするアンドロメダ。そ こをたまたま通りがかったのが、勇者ペルセウスです。怪物メドゥーサ退治の帰 り、岩に鎖で繋がれたアンドロメダを見つけ、見事化けくじらを退治したので す。さすがは勇者!そんなペルセウスが乗っていた空駆ける天馬が、退治した怪 物メドゥーサから生まれたペガススなのです。 そう聞いてから眺めると、ほら、なんだか覚えられる気がしませんか?星座絵 も、ペルセウスはメドゥーサの首を持った勇ましい姿で、アンドロメダは岩に鎖 で繋がれて描かれます。 このほかにも、うお座やみずがめ座とみなみのうお座のお話などがあり、星座に なったきっかけの面白いお話がいろいろあります。実は、秋以外でも、神話と関 係ある星座はたくさんあるんですよ。特にこの時期は、プラネタリウムでも秋の 星座の神話を紹介していることがありますので、お近くの方はお出かけしてはい かがでしょう。 そして、六本木がお近くの方は、晴れた第4金曜日は是非、六本木天文クラブへ お越しください。ドラマチックな秋の星空を、一足早い冬支度をして、秋の夜長 に一緒に眺めてみませんか? 大重 維貴乃 天文学普及プロジェクト「天プラ」