★☆★☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆★☆ [5]【コラム】「肉体と宇宙」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ 2016年、夏。世界中がブラジル、リオに注目していました。 そう、4年に一度の肉体の祭典、リオオリンピック・パラリンピックです。先日 幕を閉じたこの祭典をご覧になって、感動された方も多かったのではないで しょうか。アスリート達の鍛え抜かれた腓腹筋、屈筋群、脊柱起立筋(これは あまり見えなかったけれど…)等々、筆者も大いに感動しました。ふふ。 さて、この地上の星たちもさることながら、夜空の星にも美しさを感じるのは、 古今東西共通のことでしょう。夜空の星を星座として捉える文化は、まだ地 域同士の交流が盛んではなかった古代から、それぞれの地域に独立して芽 生えていたといいます。よくよく考えると、これは不思議なことです。 人々はなぜ、星を結んで星座としたのでしょうか。 さまざまな説明が考えられると思いますが、これを人の脳の働きと考えることも できます。人の脳は、人の体の動きをその関節部分の位置関係で認識しています。 わかりやすい例として、オリオン座を考えてみましょう。オリオンの関節の部分に、 主要な星が配置されています。脳は限られた数の神経をうまいこと使うために 冗長な部分は切り捨て、コーナーと鋭角に惹きつけられるという性質があります。 そのため、人は数個の点を関節として捉えることで星座を生みだしたと考える ことができます。 人は視覚が捉えたものを、つい人の体に例えてしまう。つまり、人は元来、肉体 にとてつもない興味がある、ということかもしれません…(編者註:えっ?) 秋の星座には神話に関係するものが多く、沢山の登場人物が夜空を賑わせてい ます。あの星は誰々の肘関節なのか~、あの星はあの動物の股関節!そんなこ とを考えながら見る星空も、また乙ではないでしょうか。ぜひお試しあれ。 参考文献:Bio motion lab http://www.biomotionlab.ca/?page_id=11 萩原 圭 日本獣医生命科学大学 / 天文学普及プロジェクト「天プラ」