★☆★☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆★☆ [4]【コラム】「世界一大きなダイヤモンド!?」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ 実際の夜空で天体や星座を案内していると、いろいろな反応をいただきます。 初めて天体望遠鏡で見る 期待、月のクレーターがよく見える感動、星の色に違いがある発見、木星にたくさんの月がある驚き…。 お客様がさまざまに見せてくださる反応が、星空を案内することの魅力であり、私たちの原動力です。 よくお客様からいただく声のひとつが、「◯◯座ってすごく大きいんですね!」 というもの。実際の夜空を 使って星座や、星の並びについて説明すると、その大きさに驚かれることが多いようです。私自身も、かつて 学生の頃に本物の夜空でオリオン座や北斗七星を見つけたとき、イメージよりもずっと大きくてびっくりした ことをよく記憶しています。プラネタリウムで見る星々もとても素敵ですが、実際の夜空はやはり大変美しく、 そして迫力があるものです。 そんな星空の世界に、世界一大きい!?「ダイヤモンド」があるのをご存知でしょうか?ちょうどいまの季節、 冬の夜空いっぱいに広がっている姿を誰でも見つけることができるんです。 この冬のダイヤモンドを形作る星は1等級以上の明るい星ばかりなので、都会の夜空でもかなり見つけやすい ものです。満月の明るさにも負けずに光っていますので、晴れていればぜひ夜空を見上げて探してみてくだ さい☆では、探し方です。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ★冬のダイヤモンドのたどり方(2月中旬) まずは、とても有名なオリオン座からたどってみることにしましょう。オリオン座は、狩人のオリオンの立ち姿 を見立てたもので、横向きの蝶ネクタイにも似 た形をしています。この時期は20時頃に南中し、南の空に どっしりと立って構えています。オリオンの右足で青白く光る「リゲル」が、ダイヤモンドのスタートです。 オリオン座の三つ星を右手の方向に伸ばしていくと、赤く光るおうし座の「アルデバラン」が見つかります。 これが二つ目の星。次は、アルデバランを北に(頭上に)たどったところにある、ぎょしゃ座の「カペラ」です。 黄色く光るこの星が三つ目です。カペラから左手に視線を動かしていくと、今度は2つ並んで 仲良く輝く青白色と 金色の星にぶつかります。これが、ふたご座の兄カストルと弟ポルックスです。その2人のうち、より明るく金色に 輝く「ポルックス」が四つ目です。ポルックスから少し右下に視線を動かせば、ぽつんと白く輝く星を見つけられる でしょう。これが五つ目のこいぬ座の「プロキオン」です。そこからさらに右下に視線を落としていくと、 おおいぬ座の「シリウス」に出会えます。ぎらぎらと全天一の明るさで輝く、青白い星です。 これで登場人物が揃いました。「ダ・イ・ヤ・モ・ン・ド」と口に出しながら、この6つの星を 「リゲル-アルデバラン-カペラ-ポルックス-プロキオン-シリウス-リゲル」と1周するようにたどってみましょう。 大きな六角形を描くことができるでしょう。これが、冬のダイヤモンドです。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ さて、無事に夜空のダイヤモンドを見つけられましたでしょうか?天頂付近まで星をたどることもあり、ちょっと 首が痛くなるくらい広い範囲に広がっているのが感じられると思います。見つけられたら、ぜひ他の人にも教えて あげてくださいね。みんなで見る星空もまた格別ですよ☆ 瓜生 こずえ 天文学普及プロジェクト「天プラ」 星空案内人(R)