★☆★☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆・‥‥━━━☆★☆ [4]【コラム】「秋の夜長に星空を眺めて…」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆★☆ 最近、すっかり涼しくなりましたね。夜は少し寒いくらいです。秋は、天気はよ く変わりますが、晴れた日は気持ちの良いすっきりとした空が見られます。すっ きり晴れた夜空を見ると、思わず星を探したくなりませんか?今の時期におすす めの星たちをご紹介します。(※土星以外は10月6日の20時の空を基準にしています) ★ そろそろ見納め「土星」 日が沈んで夜空が暗くなりはじめた頃、南西の空には土星が見えています。その 方向ではもっとも明るく、あまり瞬かないので気がつけばすぐに見つけられるで しょう。土星といえば、美しい環が特徴ですが、地球から見た土星の環の向きは 毎年変わります。今年は、環が地球側に傾いて見える年で、とても土星らしい姿 が見られますので、ぜひ、望遠鏡で見てみてください。 ★ まだまだ見やすい「夏の大三角」 頭上を見上げると、明るい一等星3つからなる大きな三角形が見つかります。夏 は終わってしまいましたが、まだまだ夜空で目立っています。3つの星のうち、 一番明るいのが、こと座のベガ。七夕の織姫星でおなじみです。こと座は、ギリ シャ神話の竪琴の名手、オルフェウスの琴が空にあげられたものです。夏の大三 角の一番とがったところにある星は、わし座のアルタイル。七夕の彦星です。大 神ゼウスが変身した姿です。 個人的に一番お勧めなのは、はくちょう座です。一等星デネブから、三角形の内 側に向かって星を探していくと、腰の星サドル、くちばしの星アルビレオが見つ かります。さらにサドルの両隣の星を結ぶと北十字と呼ばれる十字の形になりま す。想像力を少し働かせると、頭の真上を優雅に飛んでいく白鳥の姿が見えてき ませんか? ★秋の星座探しの基本「秋の四辺形」 東の空に目を向けると、中ほどの高さのところに、やや明るめの星4つでできる 四角形が見つかります。夏の大三角に比べると暗くて見つけにくいですが、一度 見つけると意外とすぐ見つけられるようになります。ここにはペガスス座があり ます。秋の星座がたくさん登場する神話のヒーロー、ペルセウスが乗っていた天 馬ペガススの姿です。秋の四辺形を使うと他の秋の星座の星たちが見つかります。 ★ 秋の四辺形から探せる星たち (1) 秋のひとつ星「フォーマルハウト」 秋の四辺形の、西側の2つの星を結んで、南の空低い方へのばすと、ぽつんと 光っている一等星にぶつかります。秋の星座の中の唯一の一等星、みなみのうお 座のフォーマルハウトです。 (2) 秋の星座のヒロイン「アンドロメダ座」 秋の四辺形の、北側の2つの星をつないでのばしていくと見つかる3つの星は、ア ンドロメダ座の星たちです。秋の星座が登場する神話のヒロイン、古代エチオピ アの美しい王女の星座です。秋の四辺形の1つ「アルフェラッツ」という星はア ンドロメダ姫の頭の星にあたりますが「馬のへそ」という意味です。美しい王女 が少し不憫です。 (3) W字型が目印「カシオペヤ座」 秋の四辺形の、東側の2つの星を結んで、空の高い方へのばすと、5つの星がアル ファベットのW字型に星が並んでいるところがあります。案外、秋の四辺形より も目立つかもしれません。これがカシオペヤ座です。アンドロメダ姫の母親、古 代エチオピアの王妃の星座です。 秋の星座の登場する神話が気になる方、もう少し秋が深まった頃になると登場人 物が揃いますのでお待ちください。今回紹介した星たちは街の中からでも探すこ とができます。特別なところに出かけなくても、思ったより星は見えていたりし ます。晴れた日には、すっきりした空を見上げながら秋を感じてみてください。 長谷川優子 天文学普及プロジェクト「天プラ」