私たちが住む宇宙とは、いったいどんな世界なのでしょうか。最先端の天文学の話題に触れながら、私たちの住む宇宙の姿について、太陽系から宇宙の果てまでを俯瞰してみましょう。天文学の各分野の若手研究者をゲストにお招きし、最新の研究についてお話しを伺います。講座の主対象は大人ですが、どなたでも参加できます。



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【第1回】
4月10日(水)
19:00〜20:30

太陽黒点の ヒ・ミ・ツ

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岡本丈典
(JAXA宇宙科学研究所 研究員 )

[講演概要]
太陽では「黒点」という黒い染みが時々現れては消えていきます。黒点は温度が低いから黒い、と習ったのを覚えておられる方もいるでしょう。ではなぜ温度が低いのでしょう。実際どれくらい黒いのでしょう。そもそもホントに黒いのでしょうか。そんな黒点ですが、太陽のどこにでも出てくるわけではなく、出現の場所や形状に規則性があります。それ以外にも、見た目の黒点の姿からだけではわからない事実が隠されています。そもそも黒点とは何なのか。そのヒミツをみなさんで考えながら暴いてみましょう。といっても、特に知識は必要ありません。データを見つめるピュアな心をご持参ください。

[講師プロフィール]
おかもとじょうてん。1980年大阪府高槻市生まれ。京都大学博士(理学)。観峰流書道宗家六段允許。「ひので」などの人工衛星を使って太陽の研究をしつつ、NHK などにも提供しているキレイな太陽観測映像をボランティアで作成。高給の専門職員を抱える NASA に日々対抗心を燃やしている。

[関連サイト]
* 国立天文台ひので科学プロジェクト
【第2回】
5月15日(水)
19:00〜20:30

宇宙図と"超光速"

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小阪淳
(美術家 )

[講演概要]
「一家に一枚宇宙図」には、宇宙の膨張に関して他の書籍などではあまり見られない表現があります。たとえば、宇宙の大きさが半径約470億光年と表記されていたり、宇宙の膨張する速度が光速の3倍以上だったり。さらには、光速を超えて遠ざかっている天体でも観測できるものがあるとも書いてあります。こういった表現は本当に正しいのでしょうか。正しいとすれば、なぜあまり一般的ではないのでしょうか。そして、なぜ宇宙図ではあえてこのような表現を採用したのでしょうか。宇宙図の制作過程でも大きな問題となった言葉の表現について、皆さんとともにディープに考えたいと思います。

[講師プロフィール]
'94年-'00年SFマガジン(早川書房)装画担当。'00年-'04年朝日新聞にビジュアル連載。2004年沖縄市ワンダーミュージアムに作品常設。文化庁メディア芸術祭 審査委員会推薦作品。'06年Sony ExploraScience(北京)に4作品常設。文部科学省「一家に一枚宇宙図2007」制作に参加。 '07年カンヌ国際広告祭2007Cyber Lions銅賞受賞。 '10年東京書籍「宇宙に恋する10のレッスン」出版(共著)。

[関連サイト]
* KOSAKA Jun's Homepage
* 宇宙図ホームページ
【第3回】
6月11日(火)
19:00〜20:30

電波天文学でわかったこと、
わからないこと、これからわかること

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平松正顕
(国立天文台 チリ観測所 助教 )

[講演概要]
アルマ望遠鏡の稼働で大幅な進展が見込まれる電波天文学。そもそも電波天文学とはどのようにして始まり、何を明らかにしてきたのでしょうか。いまどんなことがホットなのでしょうか。そして、電波天文学は今後何を明らかにしていくのでしょうか。進展と成熟、更なるブレイクスルーを繰り返してきた電波天文学の歴史と将来を概観します。

[講師プロフィール]
1980年岡山県倉敷市生まれ。東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。台湾中央研究院天文及天文物理研究所 博士研究員を経て、2011年より現職。電波望遠鏡を用いた星形成領域の観測を行いながら、アルマ望遠鏡の広報も担当している。
【第4回】
7月23日(火)
19:00〜20:30

進化する宇宙のものさし

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松永典之
(東京大学 助教 )

[講演概要]
天体までの距離を求めることは、銀河の大きさや宇宙の膨張の様子など、さまざまな問題を調べるためのキーとなります。しかし、直感的には簡単に思える距離の決定は、実は天文学の中でも最も難しい作業の一つです。百年以上にわたる天文学者たちの様々な発明・工夫は次々と新たな研究成果をもたらしてきましたが、より高度な宇宙の謎を明らかにするための改良は続いています。今回の本郷宇宙塾では、代表的な距離の決定方法や、現在進行中(または計画中の)超高精度の距離決定を行うプロジェクトのいくつかを紹介したいと思います。

[講師プロフィール]
1980年群馬県高崎市生まれ。東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、2012年より現職。主に変光星の観測を行いながら、銀河系の構造や進化について研究している。

[関連サイト]
【第5回】
8月31日(土)
19:00〜20:30

宇宙の中の「惑星」

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日下部展彦
(国立天文台 系外惑星プロジェクト 研究員 )

[講演概要]
私たちにとって身近な惑星たち。しかし、よく知っていると思っているその惑星のほとんどは、太陽系の中の天体に限られています。私たちのよく知る太陽系の惑星たちはこの広大な宇宙のなかで、どのような存在なのでしょうか。そもそも「惑星」の定義とは?1995年に初めて発見された太陽以外の恒星の周りに発見された惑星、太陽系外惑星の発見から、最新の太陽系外惑星の発見の成果、第2の地球への可能性について迫ります。

[講師プロフィール]
1980年東京都練馬区生まれ、総合研究大学院大学 博士(理学)。南アフリカにおいて星形成領域の観測を進め、現在はすばる望遠鏡で行われている太陽系外惑星・原始惑星系円盤の直接撮像のためのプロジェクト"SEEDS"において観測を実施し、ウェブ対応も行っている。趣味は黒。

[関連サイト]
* 国立天文台太陽系外惑星探査プロジェクト室
【第6回】
9月25日(水)
19:00〜20:30

高エネルギー天文学

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川中宣太
(東京大学 助教 )

[講演概要]
我々が普段肉眼で見ている夜空を彩る星たち。実はそれらの一部は、一生を終え可視光で輝くのをやめた後のほうが激しく派手に活動することをご存じでしょうか。例えば太陽よりも重い星は進化の最終段階で超新星爆発を起こし、太陽が一生かかって出す量のエネルギーをわずか数秒で放出して輝きます。この爆発の残骸はその後も膨張を続け、陽子や原子核などの高エネルギー宇宙線の源となっています。さらに、星の中心核にあたる部分はブラックホールもしくは中性子星として残り、こちらは強いX線・ガンマ線放射や、光速に近い速度のジェットの噴出を示すことがあります。今回はこれらの星の最期の姿が主役を演じる高エネルギー天文学という分野について、最新の話題を交えてお話したいと思います。

[講師プロフィール]
1981年兵庫県生まれ。2008年京都大学大学院理学研究科博士課程修了(理学)。東京大学ビッグバンセンター特任研究員、高エネルギー加速器研究機構博士研究員、イスラエル・ヘブライ大学研究員を経て、2013年5月より現職。ブラックホール降着円盤、ガンマ線バースト、宇宙線など、宇宙における高エネルギー現象の理論的研究を行っている。趣味は読書と音楽鑑賞とランニング。
【第7回】
10月23日(水)
19:00〜20:30

系外惑星をめざして

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櫨香奈恵
(JAXA/宇宙科学研究所 宇宙航空プロジェクト研究員 )

[講演概要]
太陽系の外の星々のまわりにも、惑星(系外惑星)があるのでしょうか?それは太陽系とそっくりか、全然ちがうのか?どうやって生まれ、どうやって進化するのか?そこに生命は・・・???系外惑星の研究は、21世紀の宇宙科学の挑戦のひとつ!これまで天文学者はどのように系外惑星の見つけてきたのでしょうか。そしてこれからどのよ うに、これらの疑問に挑んでいくのでしょうか。系外惑星の見つけ方を中心にお話したいと思います。

[講師プロフィール]
はぜかなえ。1983年広島県生まれ、総合研究大学院大学 博士(理学)。太陽系外惑星の精査に向けた宇宙望遠鏡搭載赤外線コロナグラフの開発をおこなっている。広報活動の一環として宇宙研特別公開で配布している 「赤外線天文衛星あかりちゃん」漫画(関連するサイト参照)の原作も担当している。

[関連サイト]
* 赤外線天文衛星あかりちゃん漫画
【第8回】
11月27日(水)
19:00〜20:30

抜群にいい視力で見る天の川

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松本尚子
(国立天文台 研究員 )

[講演概要]
感度を犠牲にし、観測天文の中でも抜群の視力を追求した「超長基線電波干渉計」という手法。この方法を使って一番私たちの近くにある銀河 “天の川” を見ると何が見えてくるのか。天文学の中でも少し特殊な観測分野のお話をしたいと思います。

[講師プロフィール]
目で日常の景色を見るように宇宙も見たい。そんな憧れを持ちつつ、現在は国立天文台のVERA(ベラ)プロジェクトの一員として、天の川銀河の研究を行っている。そんな私の生活の糧は、宇宙と音楽とおいしい食べ物と適度な運動。

[関連サイト]
* VERA
* EAVN
【第9回】
12月17日(火)
19:00〜20:30

『ご近所さん』の銀河から見えてくるもの

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小野寺幸子
(明星大学 助教 )

[講演概要]
「銀河」と言われると、アンドロメダ銀河などの美しい渦巻銀河の姿を想像する方も多いと思います。私たちの銀河系も渦巻銀河のひとつです。では、渦巻銀河では何が起きているのでしょうか?あの美しい渦巻き腕はどうしてできるのでしょうか?「ご近所」の渦巻銀河を研究することでその謎を解き明かすことができます。今回の本郷宇宙塾では、近傍銀河の観測からわかる渦巻銀河の構造とその中での星形成について、主に電波天文学の観点から紹介したいと思います。

[講師プロフィール]
1978年生まれ、東京都世田谷区出身。東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。国立天文台野辺山宇宙電波観測所研究員を経て、2012年より現職。星間物質や渦巻銀河の力学構造について研究している。

[関連サイト]
* 「隣」の銀河の星の材料、全貌の把握に成功
【第10回】
1月22日(水)
19:00〜20:30

超新星爆発の「瞬間」

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諸隈智貴
(東京大学 助教 )

[講演概要]
その名に反して星の最期に起こる大爆発現象である超新星。近年では年間数百個もの超新星が発見されていますが、私たちは2012年から、その爆発の瞬間をとらえる観測プロジェクトを開始しました。講演では、爆発の「瞬間」を見ることによってわかる星の最期の姿や、私たちのプロジェクトを取り巻く環境について紹介します。

[講師プロフィール]
1979年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。国立天文台研究員、日本学術振興会特別研究員を経て2010年8月より現職。超新星や活動銀河核のような光度変動を示す爆発的現象の観測から、宇宙における星形成の歴史や超巨大ブラックホールの形成について研究している。

[関連サイト]
* 木曽KWFC超新星探査プロジェクトKISS
【第11回】
3月12日(水)
19:00〜20:30

イラストで魅せるヒッグス粒子

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秋本祐希
(東京大学 特任研究員/マブチデザインオフィス )

[講演概要]
数年前から耳にするようになったヒッグス粒子、昨年はいよいよノーベル物理学賞を受賞する研究対象に至りました。そんなヒッグス粒子ですが、ニュースやインターネットで見ていても正直なんだかよくわからない、そんな方が多いのではないでしょうか。水飴、エーテル、雪にツンデレ……さまざまな例えで説明されているヒッグス粒子、今回はどのような例えが一番わかりやすいのか、皆さんとのんびり考えてみようと思います。

[講師プロフィール]
東京大学大学院理学系研究科博士課程修了 博士(理学)。大学院時代は素粒子実験を専門としていたが、卒業後は好きだったデザイン・イラスト描きと無理やり2足のワラジを履こうと、現在も所属しているマブチデザインオフィスに入社。東京大学理学部特任研究員として科学コミュニケーションを研究しつつ、昨年はイラストで素粒子物理学を解説するイラスト読み物「素粒子の世界」を出版。

[関連サイト]
* HiggsTan(ひっぐすたん)
【第12回】
4月30日(水)
19:00〜20:30

銀河と巨大ブラックホールのふしぎな関係

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松岡良樹
(国立天文台 特任助教/プリンストン大学 )

[講演概要]
重い星が超新星爆発で一生を終えるときには、ブラックホールが後に残されることが知られています。このブラックホールは星の残骸なので、重さはもちろん星1つ分程度です。ところが宇宙には、1つで星10億個分にも匹敵するような非常に大きなブラックホールがたくさん存在することが知られています。そのような巨大ブラックホールはいつも必ず大きな銀河の中心部に潜んでおり、遥か昔から、銀河と歩調を合わせるように成長してきたようです。しかしそもそも巨大ブラックホールがいつ、どのように宇宙に誕生したのか、どうして銀河とそのような強い関係で結ばれているのかは、良く分かっていません。この講演では、銀河と巨大ブラックホールのふしぎな関係について、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います(注:今回はブラックホールの内部の話ではありません、その周りの話です)。(Image credit: NASA/JPL-Caltech)

[講師プロフィール]
1981年兵庫県生まれ。東京大学で博士号を取得後、名古屋大学特任助教などを経て、2013年より現職。専門は銀河と巨大ブラックホールの進化、活動銀河核、宇宙可視光背景放射など。昨年春から米国プリンストン大学に滞在中。
【第13回】
5月20日(火)
19:00〜20:30

太陽系図はなにを語るか

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小阪淳/片桐暁
(太陽系図制作委員会 )

[講演概要]
太陽系図は、2014年4月にリリースされたポスターです。科学の捉えた最新の太陽系像を示すと同時に、太陽系と人間の関係にも焦点を当て、科学・哲学・思想の関係を俯瞰する図になっています。本イベントでは、太陽系図の見方について解説すると同時に、参加者の皆さんの興味に応じて議論を深めていきたいと思います(太陽系図は資料として配布します)。

[講師プロフィール]
太陽系図制作委員会は、一家に1枚宇宙図2007および宇宙図2013の制作メンバーである宇宙図制作委員会を中心に組織されました。美術家の小阪淳氏、コピーライターの片桐暁氏を中心に、天文学や科学史を専門とするメンバーから成り立っています。
【第14回】
6月24日(火)
19:00〜20:30

銀河のまわりのガスのお話

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百瀬莉恵子
(東京大学 特任研究員 )

[講演概要]
宇宙の歴史の中で銀河がどのように形作られてきたか様々な観点から調べられています。その中でも近年、銀河とその周辺環境の境界である「ハロー」が注目を集めています。ハローガスの形状は、主に、銀河間空間からのガス流入と銀河からのアウトフローによる流出の収支を反映していると考えられています。そのため、ハローガスの形状・性質を理解することは、銀河の星形成史やそれに伴う銀河進化を明らかにする上で重要です。今回の宇宙塾では、銀河のハローガスや銀河のまわりの広がったガスに関する観測的な研究についてご紹介します。

[講師プロフィール]
1983年長野県高遠町(現伊那市)生まれ。東京大学理学系研究科博士課程修了(理学博士)。2012年4月より現職。銀河における星形成活動、銀河周辺ガス、遠方銀河を用いた宇宙再電離研究など銀河をテーマに観測的な研究をしています。
【第15回】
7月30日(水)
19:00〜20:30

星の輪廻を数式にする

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小麥真也
(国立天文台 特任准教授 )

[講演概要]
「星がどのようにできるか」を研究する最も確実な方法は、宇宙を漂うガスの塊をじっと 1000万年くらい眺めて星になるのを待つ事です。残念ながら、人類の生きている間に それはできません。私達は宇宙のとある瞬間のスナップショットしか見る事はできません が、それでも星の形成、銀河の進化、ひいては宇宙の過去と未来について考える事ができ ます。ガスが星になって銀河の姿を変える現象がいくつかの数式だけであらわす事ができ たら、私達はもっと手軽に、銀河の未来を予測する事ができるようになります。そんな試 みの一端をお話します。数式はでてきません(多分)!

[講師プロフィール]
東京大学で博士号を取得後、宇宙航空研究開発機構、国立天文台/アルマ合同観測所を経て現職。専門は星形成、銀河力学、電波天文学。星と星間物質の関係を観測から明らかにしたいと思っている。
【第16回】
11月25日(火)
19:00〜20:30

電波望遠鏡が解き明かす、新たな太陽系像

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飯野孝浩
(東京農工大学 特任助教 )

[講演概要]
惑星や衛星、彗星の大気、またその外側にはどのようなガスが含まれているのか?そのガスはどこから来て、どうやって消えていくのか?大きな鏡で空をにらむ電波望遠鏡は、ガスの観測を切り口にして、私たちの住む太陽系の新たな姿を次々に明らかにしてきました。彗星が衝突して20年後の木星大気は今どうなっているのか?彗星に含まれるガスは何を意味するのか?果たして火星に生命はいるのか?などなど、電波望遠鏡が解き明かしてきた太陽系の最新像と、新たに生み出した謎をお伝えします。(画像:チリのアタカマ高地に立つ国立天文台のASTE(アステ)望遠鏡。澄み切った空と高感度の受信機で、太陽系内天体の持つガスの量や種類を詳しく調べることができる。画像提供 国立天文台)

[講師プロフィール]
1980年宮城県仙台市生まれ。海王星大気に含まれるガスをせっせと観測し、名古屋大学で博士号を取得。2014年より現職。さまざまな天体中のマイナーなガスを観測し、その起源や行く末に思いを馳せる。マイナーなガスが全体の状況を物語る、が持論。
【第17回】
12月24日(水)
19:00〜20:30

2014年の天文学ニュースを振り返る

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平松正顕
(国立天文台 助教 )

[講演概要]
2014年にはさまざまな天文ニュースがありました。皆既月食やいつもより大きく見える月をご覧になった方も多いでしょう。探査機ロゼッタ/フィラエの彗星探査やはやぶさ2、アルマ望遠鏡の視力2000達成や30メートル望遠鏡TMTの起工式など、宇宙の新たな姿を目にする機会も多かった年でした。この講演では2014年天文のニュースを振り返り、その位置づけや今後の展望をご紹介します(画像はアルマの捉えたHLTau、Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO))。

[講師プロフィール]
1980年岡山県倉敷市生まれ。東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。台湾中央研究院天文及天文物理研究所 博士研究員を経て、2011年より現職。電波望遠鏡を用いた星形成領域の観測を行いながら、アルマ望遠鏡の広報も担当している。
【第18回】
1月27日(火)
19:00〜20:30

探査で巡る月の世界

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山田竜平
(国立天文台 研究員 )

[講演概要]
1959年、旧ソ連が月に人工衛星を飛ばして以降、米国、日本、欧州、中国、インドと世界各国が月に探査機を送り込んでいる。我々が月に関して持っている科学的な知見は、これらの月探査によって得られる情報により飛躍的に向上てしてきました。今回の講義では、これまで行われた月探査によって明らかにされてきた「月の世界」について科学的な観点でお話しすると供に、月に残された謎についても紹介したいと思います。[このイベントは平成26年度子どもゆめ基金(独立行政法人国立青少年教育振興機構)の助成金の交付を受けて、天プラネットが開催するものです。]

[講師プロフィール]
2009年に東京大学大学院地球惑星科学専攻で学位を取得。国内、海外の宇宙関連機関で研究を行った後、2011年より、国立天文台RISE月惑星探査検討室で月惑星探査プロジェクトの推進を行っている。

[関連サイト]
* 国立天文台RISE月惑星探査検討室
【第19回】
2月25日(水)
19:00〜20:30

山頂で見る夜空、地下で見る物質

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吉田直紀
(東京大学 教授 )

[講演概要]
わたしたちの宇宙は何でできているのか。最近の天文観測から宇宙の年齢などさまざまなことが分かった一方で、大きな謎も残されました。現在の宇宙では、星や銀河などの光り輝く天体は宇宙全体のほんの小さな割合を占めるだけで、ダークマターやダークエネルギーという正体不明のものが宇宙を満たしているらしいのです。その正体に迫る研究とその成果を、動画を交えて解説します。[このイベントは平成26年度子どもゆめ基金(独立行政法人国立青少年教育振興機構)の助成金の交付を受けて、天プラネットが開催するものです。]

[講師プロフィール]
東京大学工学部卒業、スウェーデン王立工科大学修士課程修了、ドイツ・マックスプランク宇宙物理学研究所博士課程修了、PhD。ハーバード大学、名古屋大学等での研究を経て2012年4月より現職。専門は観測的宇宙論と宇宙物理学。大規模コンピューターシミュレーションを用いて星やブラックホールの誕生の謎にせまる。趣味は食べ歩き飲み歩き。主な著作に「宇宙で最初の星はどうやって生まれたのか」(宝島社新書)、「ムラムラする宇宙」(学研教育出版)など。2008年 国際純粋応用物理連合若手 科学者賞受賞。

[関連サイト]
* 研究室ウェブサイト
【第20回】
3月25日(水)
19:00〜20:30

宇宙の一番星・ファーストスターの正体

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平野信吾
(東京大学 博士課程3年 )

[講演概要]
私たちの身の回りに存在する100種類以上の元素。そのほとんどはビッグバン直後の138億年前の宇宙には存在せず、星の最期に起こる超新星爆発で作られたものです。宇宙で最初の元素の工場となるのは宇宙の一番星、ファーストスターです。ファーストスターがいつ・どこで・どのように誕生したのか、コンピューターシミュレーションが明らかにしつつあります。今回は研究の現状を、最新の話題を交えつつご紹介します。

[講師プロフィール]
1987年富山県生まれ。2015年に東京大学大学院天文学専攻で博士課程修了(理学博士)、4月より日本学術振興会特別研究員。専門は理論天文学、主に数値シミュレーションを用いて研究しています。
【第21回】
4月28日(火)
19:00〜20:30

実験室でつくる宇宙の塵

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左近樹
(東京大学 助教 )
[講演概要]
宇宙の誕生当初は水素とヘリウムだけだった宇宙が、現在の化学的に豊かな宇宙に至る歴史を理解する試みは、天文学者が長く取り組む重要なテーマです。宇宙空間には、銀河を構成する無数の星々の他に、様々な元素で構成される原子ガスや分子ガス、そして塵(ダスト)が漂っています。しかしながら、宇宙ダストの本当の姿について、隕石物質の分析や太陽系内の探査ミッションを通じて得られた情報を除いて、我々はごく限られた知識しか持っていません。実験天文学では、かつてより、そうした宇宙ダストを模擬する物質を実験室で合成し、その物質の性質の詳しい調査を行う試みがなされて来ました。宇宙の塵に対する正しい理解を得る事は、天文学は言うまでもなく、これからの宇宙化学、宇宙生物学においても重要な礎となります。本講演では、過去の研究に基づく宇宙の塵の理解を整理し、最新の実験的な試みについていくつか紹介します。

[講師プロフィール]
東京大学理学系研究科天文学専攻助教。博士(理学)。1980年兵庫県生まれ。2003年東京大学理学部卒業、2007年東京大学大学院理学系研究科博士課程中退、同年より現職。趣味は音楽鑑賞。

[関連サイト]
【第22回】
5月19日(火)
19:00〜20:30

光図を読む

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小阪淳/片桐暁
(光図制作委員会 )

[講演概要]
2015年は国際光年。天文学分野では、Cosmic Light をテーマに、宇宙に関する光を取り上げた普及活動が数多く予定されています。この一環として、宇宙に関する光を網羅的に取り上げた科学ポスター「光図」が、4月1日にリリースされました。光の一般的な性質について紹介するだけでなく、宇宙の時空を理解するために知っておくべき光の話や、光から科学そのものについて思索を深めることにチャレンジしています。この光図の内容についてご紹介するとともに、光から見えてくる宇宙、人間、科学の関係について考えてみたいと想います。

[講師プロフィール]
光図制作委員会は、2015年4月にリリースされる予定の光図を制作するメンバーのグループです。美術家の小阪淳氏、コピーライターの片桐暁氏を中心に、天文学を専門とするメンバーなどから成り立っています。
【第23回】
6月24日(水)
19:00〜20:30

天の川銀河の"立体"地図作り

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坂井伸行
(国立天文台 特任研究員 )

[講演概要]
講演者は学生時代に参加したイベントで子供から、「お月様はなぜ、何時までもついてくるの?」と質問を受けた事がある。その時に現場に居た研究者の方が、「それは、月までの距離が遠いから、ほとんど動かない様に見えるからだよ。」と答えた事が未だに忘れられない。 研究者の答えを別の観点から見ると、「その“僅か”な動きが正確に分かったら、月までの距離が正確に分かる」と言える。 その僅かな“動き”は視差と呼ばれ、伊能忠敬が三角測量によって日本地図を作る際に利用された。本講演では、現代版・伊能忠敬として天の川銀河の地図作りを行っている国立天文台VERAプロジェクトの最新成果の紹介、及び熾烈な国際競争の現状など、研究現場からの生の声をお届けします。

[講師プロフィール]
さかいのぶゆき。1986年広島県三原市生まれ。総合研究大学院大学 博士(理学)。日本学術振興会特別研究員を経て、2015年より国立天文台の特任研究員に採用。研究テーマは、国立天文台VERA望遠鏡による、天の川銀河の3次元構造の解明。最近のマイ・ブームは、旅先で色んな地図を収集する事。

[関連サイト]
* 国立天文台VERAプロジェクト
【第24回】
10月27日(火)
19:00〜20:30

天体重爆撃と地球の進化

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黒澤耕介
(千葉工業大学 研究員 )

[講演概要]
太陽系固体惑星/衛星表面のクレータはこれらの天体が激しい天体衝突に晒されてきたことを物語ります。天体衝突が持ち込む莫大なエネルギーは惑星上の平均場では起こり得ない物理・化学過程を駆動します。講演者はこういった天体衝突現象の特異性に興味を持ち、天体衝突をキーワードに太陽系固体惑星の初期進化に関する研究を行っています。講演ではとっておきの衝突動画をご覧頂き、原始地球で頻発した天体衝突によって何が起こるのかについて思いを馳せていただければ幸いです。

[講師プロフィール]
くろさわこうすけ。東京生まれ東京育ち。東京都立大学理学部物理学科卒業、東京大学大学院新領域創成科学研究科博士過程修了。博士(科学)。日本学術振興会特別研究員PD、宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 宇宙航空プロジェクト研究員を経て現職。立教大学理学部物理学科兼任講師。趣味はギターです・ジャムってくれる方募集中です。

[関連サイト]
* 千葉工業大学惑星探査センター
【第25回】
11月24日(火)
19:00〜20:30

スーパーコンピュータの中で生まれる宇宙

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石山智明
(千葉大学 准教授 )

[講演概要]
宇宙におけるさまざまな天体は、地球上にはない広大な質量・空間・時間スケールのもとで相互作用しながら形成し進化していきます。したがって、その過程を明らかにするために、時に「理論の望遠鏡」とも呼ばれる数値シミュレーションによる研究が大きな威力を発揮してきました。今回は特にダークマター構造形成について、スーパーコンピュータを用いた、大規模シミュレーションによる研究の最前線を紹介します。

[講師プロフィール]
1982年生まれ。東京大学教養学部卒。 東京大学総合文化研究科広域システム科学系修了。博士(学術)。筑波大学計算科学研究センター研究員などを経て、現在、千葉大学統合情報センター准教授。専門は理論、シミュレーション天文学。スーパーコンピュータを使って、宇宙の構造形成や進化に関する研究をしている。

[関連サイト]
* YouTube石山さんのチャンネル
【第26回】
12月22日(火)
19:00〜20:30

2015年の天文学ニュースを振り返る

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平松正顕
(国立天文台 助教 )
[講演概要]
2015年もいろいろな天文学のニュースがありました。探査機ニューホライズンズが冥王星に最接近しこれまで見たこともない姿を見せてくれたことや(画像、Credit: NASA/JHUAPL/SwRI)、ロゼッタが到達したチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の太陽最接近など、身近な太陽系内の研究も大きく進展しました。また一般相対性理論の提唱から100年、太陽系外惑星発見から20年など記念の年でもありました。今年の天文学ニュースを振り返りながら、いま人類が把握している宇宙の姿をご紹介します。

[講師プロフィール]
1980年岡山県倉敷市生まれ。東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(理学博士)。台湾中央研究院天文及天文物理研究所 博士研究員を経て、2011年より現職。2014年より広報室長。電波望遠鏡を用いた星形成領域の観測を行いながら、アルマ望遠鏡の広報も担当している。
【第27回】
1月26日(火)
19:00〜20:30

存在への問い -哲学から読み解く宇宙-

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吉田幸司
(学振特別研究員PD/東京大学 )

[講演概要]
夜空を見上げて、みなさんは何を感じますか?近代の哲学者ブレーズ・パスカルは、沈黙する無限の宇宙に畏怖を覚えました。かつて宇宙は、神々の住む調和的コスモスと信じられていましたが、近代科学の成立とともに物質的・機械的に理解され、そのなかで人間は「存在の根拠」をも喪失していきます。科学では満たされない、でも、神話を信じることもできなくなった現代人は、宇宙に何を思い描けるのでしょう?本講演では、プラトンから現代科学の宇宙論まで概観した上で、今日における哲学的宇宙論について考えます。特に、相対論・量子論にも精通したA. N. ホワイトヘッドの哲学を手引きに、「私たちはどこから来て、どこへ行くのか」という根本問題に迫ります。

※ 本講演は、子どもゆめ基金の助成を受けて行われます。参加費は 500円 です。

[講師プロフィール]
上智大学哲学研究科博士課程修了、博士(哲学)。上智大学文学部PDを経て、2014年より現職。「なぜ世界は存在するのか」をテーマに、英国出身の科学者・哲学者ホワイトヘッドの宇宙論、形而上学を研究。共著書に『理想-特集:ホワイトヘッド』(理想社)、"Beyond Superlatives"(Cambridge Scholars Publishing)など。趣味は落語。

[関連サイト]
* 哲学舎
【第28回】
2月23日(火)
19:00〜20:30

太陽物理学究極の謎「11年周期」

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堀田英之
(千葉大学 特任助教 )

[講演概要]
太陽は磁場で満たされた恒星であり、表面には黒点が見られる。黒点数は11年周期で変動している。最近は太陽に元気がなく、黒点数はここ100年で最も少ない。このままいくと太陽からほとんど黒点がなくなってしまうと主張する研究者もいる。太陽で何かが起こっていると考えられるが、我々は太陽のことをどこまで理解できているだろう。太陽の黒点は太陽内部で作られていると考えられるが、光では太陽内部は見通せない。そこでスーパーコンピューターを用いて、太陽のぐちゃぐちゃで秩序だった真の姿を明らかにする。本講義では、最新の計算結果と理解を紹介する。

※ 本講演は、子どもゆめ基金の助成を受けて行われます。参加費は 500円 です。

[講師プロフィール]
1985年生まれ。東京大学理学部地球惑星物理学科卒業、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士過程終了。2014年博士(理学)。同年より日本学術振興会海外特別研究員としてアメリカ合衆国HAO/NCARに滞在。2015年より千葉大学理学研究科特任助教(テニュアトラック)。スーパーコンピューターを用いて、太陽の乱流や磁場などを研究している。

[関連サイト]
* ひので科学プロジェクト