2007年4月20日

dandelion / タンポポ

長らく寒かったですけど、今日は暖かくなりましたね。

春の野草に混じって、天文台ではタンポポが咲き盛り。
野草花の中では比較的大きな方なので、目立ちますよね。
ライオンの名が冠されているのも納得です。

ところで、普通、皆さんが家の近くで見ているタンポポは、
きっとセイヨウタンポポという外来種だと思います。
日本には古来からカントウタンポポやカンサイタンポポ、トウカイタンポポ、エゾタンポポなど、
地域特有のタンポポが咲いていたのですが、
近世になってからセイヨウタンポポをはじめとする外来種が帰化し、数を減らしています。

セイヨウタンポポは単為生殖で種子をつける、
すなわち花粉に関係なく単独で種子ができてしまうため繁殖力が強く、
都市部を中心として日本各地に広がっています。
田園地帯では在来種のタンポポが勢力を保っているため、都市化の指標生物として使われたりもしますね。

最近は、セイヨウタンポポと在来種との雑種まで見つかるようになり、
遺伝子汚染という点で問題になってきています。

だいぶ前振りが長くなりましたが、
実は天文台のタンポポ、そのほとんどがカントウタンポポなのです。

どのように区別するかというと、
花を包んでいる「総ほう」と呼ばれる部分が反り返っているかどうかを見るのです。

写真で見比べてみてください。

よく、天文台にいる人は、交通の便が悪かったり、近くにコンビニがなかったりで、
天文台を「陸の孤島」なんて言ったりしますけど(笑)、
もしかしたら、生態系にとっても「孤島」なのかもしれません。
(天文台の周りをちゃんと観察していないので何とも言えませんが・・・)

東京学芸大学にもたくさんのタンポポが咲いていますが、
そのほとんどはセイヨウタンポポ、もしくはカントウタンポポとの雑種です。
なので、多摩地域全体に(都心に比べ田舎だから)カントウタンポポが残っているわけではなさそうです。

都心ではめったに見られなくなったカントウタンポポ。
ぜひ一度、見に足をお運びください。


そうそう、セイヨウタンポポに比べカントウタンポポの方が花が咲く時期が短いのです。
夏まで咲いているタンポポはそのほとんどがセイヨウタンポポ。
というわけで、見に来られる方はお早めに・・・(笑)

投稿者 KEN : 21:05 | 2007年度以前の記事

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.tenpla.net/cgi/tslog/tt-cgi/tt_tb.cgi/236

コメント

コメントしてください




保存しますか? はいいいえ