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2008年5月30日

CAST meeting

明日から、台湾の天文学会 CAST (Chinese Astronomical Society, Taiwan) の総会に参加するために花蓮(ふぁーりぇん)に行ってきます。会場は国立花蓮教育大学。いつもいる新竹市から台湾の北をぐるっと回って太平洋側に向かいます。

日本天文学会の年会は発表総数(たぶん)500をゆうに超え、口頭発表も分野ごとに6つくらいの部屋に分かれて同時進行で進んでいくのですが、こちらはそんなに天文学者がいないので、一部屋に集まって分野関係なくみんなで発表を聞く、というスタイルのようです。なんせ口頭発表が26件しかありません。ポスターはもっとあるのでしょうか。そして26件のうち2/3くらいはすでに顔見知りになった人の発表。規模では日本の天文学会の1/10くらいといったところでしょうか。

そんな台湾の天文学会ですが、何と発表は全員英語らしいんですね。研究者はもちろん、学部生のポスター発表に至るまで。学部生なんて母国語でも研究発表大変だと思うのに、英語となるとさらにハードルが高くなるはず。「英語だと大変ですよね。」とボスに聞くと、「大変だけどすぐ慣れるし、モチベーションも上がるし、何人かは海外の大学院に行こうとしてるから。」と。そういうボスもカリフォルニア大学バークレー校出身。こちらの学生は、学部卒業あるいは修士卒業のあと、アメリカやヨーロッパの大学院の博士課程にすすむ人が多いのです。

台北の研究所のスタッフを見ても国際色豊かです。人数は少なくても多様性と活気があって面白そうなのが台湾の天文業界の特色でしょうか。今回の学会はそんなところも楽しみです。あ、もちろん自分の発表もありますのでそっちもしっかりこなしてきます。

投稿者 平松正顕 : 01:03 | 研究生活@台湾

2008年5月28日

不死鳥舞い降りる

いろんなところで報道されているように、NASAのPhoenix Mars Landerが火星に着陸して、早速いろんな画像を送ってきています。火星周回軌道上のMars Reconnaissance Orbiterが撮影した、火星に向けて降下中のPhoenixがすごいですね。他の惑星に降りていく探査機を直接撮影した例はこれが初めてだそうです。小惑星イトカワに降りていく はやぶさ が撮った自身の影を見たときにも、鳥肌がたつほど感動したものです。

上にあげたNASA本体のサイト、そして実際にマネージメントを行うジェット推進研究所(JPL)のサイトには既に数多くの写真が飾られています。このウェブページをつぶさにチェックすれば、おそらく世界最強の研究アウトリーチ/科学コミュニケーションチームを擁するNASAがどのように情報を発信し自身のブランド力を高めていくのか、という過程も追っていけることでしょう。『科学コミュニケーションの評価』が話題になることも多い昨今、そういう目でこのフェニックスの情報を追いかけてみるのも面白いかもしれません。

ミッション全体にかけるお金も情報発信にかけるお金もNASAでは桁違いでしょうが、JAXAはJAXAで面白い活動やってますよね。「はやぶさ」ビーズ細工なんてきっとNASAはやらないだろうし。エントリーカプセル取り外し可能なビーズ細工だなんて!こういうオリジナリティあふれる活動もぜひぜひ応援していきたいものです。

投稿者 平松正顕 : 00:39 | 科学コミュニケーション

2008年5月24日

超新星爆発、その瞬間

超新星爆発の瞬間が捕らえられた、というニュースがでています。詳しくは astroarts を。

アマチュアも含めた多くの天文関係者が「超新星爆発の瞬間を見たい」と思っていたはずですが、ついにそれを叶えてしまった人が現れたということですね。とはいっても目ではなくて地球周回軌道上のエックス線望遠鏡での話。こういう場合、リアルタイムに観測データを地上に降ろして研究者がそれを見ているということはあまりないと思います。が、今回使っていたSwiftという観測衛星は突発天体観測用の望遠鏡なので、ひょっとしたらそれが可能だったのかもしれません。でもまさか超新星爆発の瞬間だなんて最初は思わないかもしれないし、機械がおかしいんじゃないかとかいろいろ悩んだんじゃないでしょうか。

この発見をしたAlicia Soderbergさん、ウェブページを見るとなんと博士号を取ったのが2007年。僕とたぶん半年しか違いません。そして今はハッブル・フェロー。先日紹介した「天文学者になりたいかー!」の文章でも、人名のつく研究員ポスト(Hubble/Spitzer/Jansky/Chandraとか)は極めて難関であると書いてあったので、優秀な方なのでしょう。いやーすごい。今回の発見はとてつもない幸運ですが、ちゃんと準備していたからこそ幸運を受け止められた、というのはノーベル賞の小柴さんのおっしゃる通り。Nature のページに "I definitely won the astronomical lottery." 「天文学の宝くじ当てちゃった」という彼女のコメントが出ていますが、宝くじも買わなきゃ当たりません。

そしてこの発見は雑誌Natureで報告されるわけですが、普段夕食をよく一緒に食べに出かけているうちの大学の助教授さん(香港出身)が共著者に名前を連ねているのを見てびっくり。そういえば、台北で記者発表があるとかいう話だったのです。今度話を聞いてみよう。

投稿者 平松正顕 : 01:15 | 研究生活@台湾

2008年5月22日

研究者になるには

募集:天文学者
辺鄙な山の頂上での深夜に及ぶ仕事あり。
冒険的で遊牧民のような生活が送れます。
不安定な生活が長期にわたる割に給料は
平均レベルですが、勤務時間規定、服装
規定なしだから大丈夫。
有能な方には、真の科学的発見に遭遇する機会が与えられます。
今すぐご応募ください。


こんな書き出しの文章(英語pdf)が、天文学の論文(正しくは、正規の論文になる一歩前の段階:プレプリント)が掲載されるサイト astro-ph に投稿されていました。著者はオーストラリアの天文学者、太平洋天文学会 (ASP)の機関紙 Mercury に掲載される予定の文章のようです。この書き出し、確かにその通りの一面もあって、笑えるような笑えないような・・・。

観望会でスタッフをしていたり講演会をやったりすると必ずと言っていいほど「天文学者になるにはどうしたらいいですか?」という質問を受けます。何かの調査でも『小学生が将来就きたい職業』で『研究者・博士』が上位に来るそうです。(ランクインしている中で唯一、博士だけが「食えない(職業じゃない)」のも興味深いところ。) なかなか難しいのですが、この Mercury 掲載予定の文章をベースにすこしご紹介。まぁ僕もまだ道半ばですが。

まず最初は大学院で博士号を取ること。天文学の名のつく学科/専攻はそう多くないですが、物理学科/物理学専攻の中で天文学をやってる研究室に行くってのもアリです。詳しくは、愛知教育大学の「宇宙を学べる大学・天文学者のいる大学」をどうぞ。このMercuryの文章では、環境を変えて視野と人脈を広げるという意味で学部と大学院で大学を変えることがお勧めされています。僕の場合は、卒業してからこれを実現するべく海外に来たわけです。まあほかにも理由はいくつかありますが。指導教官をちゃんと選べとか、年に1本は論文書けとか、いっぱい観測するだけして結果をちゃんとまとめないのはダメだとか、いろいろ具体的なアドバイスがあります。いくつか胸に突き刺さる指摘が無きにしも非ず。

無事に博士号を取得したら、任期が限定されたポスドク研究員になるのが一般的。中国語では直訳して博士後研究員と呼ぶようです。Mercury の文章によると、天文学の分野では世界中で1年に(わずかに)200のポスドクポジションの募集が国際的に行われます。国内限定の職はカウントされていないので、実際はもう少し多いでしょう。博士号を取ってそのあとも天文学を続けていきたい学生の数とポスドクポジションの数の比較をすると、Mercuryの文章によると、だいたい同じくらい、だそうです。僕の周りを見渡してもまあそんなもんかな、という感じです。いろんなところに応募して落選しながらどこかに引っかかることも多いので、ポスドクになるのも簡単ではないですが、全体として極端にアンバランスにはなっていないように思います。もちろん分野にもよります。理論天文学は大変らしいです。

で、このポスドク期間中に思いっきり研究することが求められます。Mercuryの文章によると、イギリスの平均的な天文学者は年に4.4本の論文を書くとのこと。筆頭著者として4.4本なんでしょうか。それって結構すごい量な気がします。前述のastro-phに掲載される論文の数は年々増え、2007年に年間1万本を超えたそうです。大学院に入って astro-ph を初めてチェックした時に、「毎日こんなに論文が出てるのか!」と驚嘆したわけですが、その時に比べるとさらに2割増しです。もちろん天文学の中の分野によって数の大小はあります。流行りの分野はやはり多くなるでしょうし。

ポスドク期間中にしっかりした研究成果を作り上げて、常勤研究者(助教とか准教授とか教授とか)の公募に応募するわけですが、『40歳になるまでにそういう職に就けるのは大学院同期卒業者のうち20%』というレポートがイギリスの王立天文学会から出ているそうです。日本でもそんなに状況は変わらないでしょうね。いやはや、厳しい世界が待っています。『それでも研究者を目指しますか?』 という問いに、きちんと答えなければなりません。

Mercuryの文章は、NikeのCMにひっかけて
『Research it. Publish it. Talk about it. これを年に複数回繰り返せ』
で締められています。いやー、がんばらねば。

こういう研究者キャリアパスの本当の姿を見ることができる機会というのは限られているように思います。気軽なサイエンスを広めることも重要ですがそれと同時に、真の姿を知る場(あるいは文章)ももっとあっていいかもしれません。必要以上に夢を打ち砕かないように工夫が必要かもしれませんが。以前研究者人生ゲームのことを書きましたがそういうのでもいいし、あるいはサイエンスカフェでもいいし。最近はこういうことを書いた本も増えてきているのでしょうかね?

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投稿者 平松正顕 : 00:42 | hiramatsu log

2008年5月16日

天プラ meets デザインフェスタ

明日からの台北出張の準備が終わりません。ちなみに日本と台湾の時差は1時間です。

今週末、東京は有明の東京ビッグサイトで開催されるデザインフェスタ(通称デザフェス)に、天プラも出展します。デザインフェスタとは、公式サイトの紹介文によれば

表現したい誰もが参加できるインターナショナルアートイベントです。

デザイン・フェスタは、チャンスを積極的につかみとるアーティスト達の祭典です。1994年より始まり毎年2回開催しています。世界中のあらゆるジャンルのアーティストが自由な形式で作品を発表、会場はまさに表現のカオスです!
だそうです。いろんなことやってる人たちが集まって、パフォーマンスしたり作品を売ったりするイベントとのこと。僕は行ったことないですし今回も行けないのですが、2600ものブースが出展されるようです。

天プラは、これまでに作ってきた、あるいは今回のために作ったグッズたち(Astronomical Toilet PaperLarge Scale Structure Sensu土星飴他)を展示・即売いたします。さらにさらに、前代未聞・驚きの展示を行う予定です。これをサイエンスコミュニケーションと呼ぶかどうかは置いといて、あさっての方向かもしれないけれども最先端を行く『天プラ at デザインフェスタ』、お楽しみに。

ブース番号は B-96 だそうです。

投稿者 平松正顕 : 02:08 | 科学コミュニケーション

2008年5月15日

学生によるサイエンスカフェ

"SciencePortal担当です。"ブログに、『学生が話題提供者になるサイエンスカフェ』についての言及があって、"Science and Communication" ブログでも取り上げられています。私たち天プラはこれまでいろんなサイエンスカフェを学生主体でやってきたので、その経験を少しご紹介します。

天プラはそもそも設立当初から、学生とプラネタリウムの協働を目指していました。今ではプラネタリウムに限らず地域NPOや小学校などとも協力していろんな活動をやってます。これは、サイエンスカフェでもそれ以外の活動でも学生であることの利点を最大限活かせると考えたからです。

まず、若いこと。サイエンスカフェでは単なる講演会ではできないような気軽なディスカッションや質問ができることがキモですが、相手が偉い先生だとなかなか難しいもの。相手が学生なら、子供たちからすればお兄さんお姉さん的存在、20代(この年代を集めるのは難しいですが)からすれば同世代、それより上の年代の方にとってみれば弟妹・子供・孫といった世代の人間が話題提供者となることで、より話しやすい雰囲気を作れるのではないかと思っていますし、実際天プラでやったカフェでもそれは実現できたと思っています。結果として、天プラが目指す『多くの人が一緒に天文学で楽しむ場』を作る手段としてサイエンスカフェというスタイルを利用することができると。サイエンスカフェは目的ではなくて手段であるはずです。

そして、学生にとってもメリットは大きいこと。"SciencePortal担当です。"ブログにもあるように、自分の研究分野についてわかりやすく説明をするということは研究者になってからも必要なスキルです。これは一朝一夕にできるものではないと思うので、早いうちからちょっとずつ経験を積んで練習しておくことが重要なんだろうと思います。さらにこういう場所で普段接しない人たちと接することは、学生にとってみれば研究のモチベーションを向上させるという側面もあるかと思います。研究って結構孤独なもので、果てしなく広がる暗黒の宇宙に対してひとり戦いを挑んでいるような気持ちになることもあるのです。サイエンスカフェみたいな場で自分の研究に対して『面白い』とか『がんばって』とか言われると、なんだか応援してくれる仲間を見つけたような気がして研究にもより力が入る。天プラやその他のところで行わるサイエンスカフェに話題提供側として参加した学生の多くは、そんな体験をしています。これって、望ましい社会と科学の関係のひとつだと思うのです。

もちろん、『ゲスト:○×教授』というほうが集客力はあるかもしれません。そのサイエンスカフェが何を目指すのかによっても違ってくるかとは思いますが、ある程度常連さんのついたサイエンスカフェとか、そんなに集客しなくてもいい場では、学生を起用してみるというのも面白いと思います。そういう場に慣れていない学生が大多数だと思いますが、逆に『素の研究者』の姿を垣間見られるという意味でも面白いでしょう。

天プラはこれまで、2005年10月のサイエンスカフェ札幌第1回をはじめとして、調布飛行場や札幌や三鷹の小さなレストランやカフェなどで、学生を前面に押し出したサイエンスカフェを行ってきました。天プラ主催のものはネットに告知を打つほどでもない地域密着型の小さなものが多いので、サイエンスカフェ・ウォッチャーの皆様の目にとまらないのかもしれませんが、天プラ主催でなくても周辺では天塾サイエンスカフェや湘南国際村フェスティバルの総研大サイエンスカフェなど、学生が話題提供者となるサイエンスカフェは結構あります。天プラ周辺の学生はプラネタリウムや科学館などでのボランティアの経験がある人が多いですし、僕自身国立天文台の定例観望会で何年もお手伝いをしていたので、平均的な学生よりは対話に慣れているという面はあります。研究発表と違って気軽なディスカッションであればあるほど応対の力量が問われます。必ずしも提供した話題の範囲内で話が展開するとは限りませんし、全然専門外の分野に飛んでいくことのほうが多いはずです。なので、どこの学生を引っ張ってきても対応できるわけではないでしょう。でもそれってたぶん研究者でも同じ。

本当は、天プラのこういう活動について文章を残すなり論文書くなりすればいいんですが、なかなか研究も忙しいのでこれまであまり実現できていません。夏ごろ発行予定の蛋白質 核酸 酵素には、天プラの活動のある意味ではまとめ的な文章が掲載されますので、お楽しみに。それと、科学技術社会論/科学コミュニケーション/地域活性化/NPO活動 などの視点で、どなたか天プラの活動を研究していただけないでしょうか?この変な活動を思いもよらぬ角度からバッサバッサと切っておいしく料理していただける方、募集中です。

投稿者 平松正顕 : 15:59 | サイエンスカフェ

2008年5月15日

天文学者は目が命

台湾にいると日本のテレビは NHK world くらいしかない (CATVで昔のドラマの再放送とかはある) のですが、日本でおもしろいCMやってるという情報をもらいました。「アキュビュー オアシス 天文学者編」だそうで。皆さんはご覧になりました?

設定が「乾いた土地にある天文観測所」。きわめて現実に即した設定ですね。実際の天文学者は乾燥した土地=天気の良い土地を求めて地球上を飛び回り、ハワイの山の上とかチリの山の上とかに天文台を建てるわけです。僕もチリには5回行きましたが、湿度計の表示が3%になっているのを見たことがあります。

一方で、現代の天文学者が望遠鏡を直接目でのぞくことはほとんどないでしょうね。観測はもっぱらCCDをはじめとする撮像素子を利用します。あと、途中でちょっと出てくる白衣の男性。天文学者は基本的にはコンピュータに向かっている時間が長いのでああいう白衣は必要ないのですが、一般の「科学者」のイメージとしては白衣なのでしょうかね。もちろん天文学者でも、微細な部品のある観測装置などを扱う場合には、クリーンルームに入って専用の服を着ることはあるでしょうが。

確かに、白衣に眼鏡というのは一部でウケるのかもしれません。普段全然科学に触れない場所で働いている人にサイエンスカフェの話をしたら、「メイドカフェの次はサイエンスカフェですか!」と驚かれたものです。ま、そっち系でも人気がないよりはあったほうがいい気もします。

話を戻して、このCM、ロケ地?はぐんま天文台でしょうかね。斜めのシルエットが特徴的な本館と、ちょっと離れたところにあるドーム。実際はドームが二つあるのですがCMでは一つになっています。そして本物にはないパラボラアンテナ。パラボラアンテナと普通の可視光の望遠鏡が同じ場所にある天文台って、鹿児島の入来とヨーロッパ南天天文台が運営するチリのLa Silla、アメリカのキットピークグラハム山、結構ありますね。いずれにしても、電波天文学の知名度向上を目指したい僕としては、「パラボラアンテナを配置することで天文台っぽくなる」と考えたこのCM製作スタッフに拍手を送りたいと思います。

投稿者 平松正顕 : 01:38 | 研究生活@台湾

2008年5月13日

waiting list

参加を申し込んでいた国際研究会 "The Early Phase of Star Formation 2008" 事務局から、『定員を超えてるのでキャンセル待ちね』という連絡がきました。いやはや残念。

こういう国際研究会は、カナダの天文学データセンターがまとめているリストを見るともうそこら中で開かれているのですが、自分の研究テーマに合ったものとなると年に一つか二つくらいです。もちろん天文学の中でも分野によってはもっとたくさんある場合もあります。観測天文学者といえども普段は研究室でコンピュータとにらめっこしながら観測データの奥に隠されたものを引き出そうと四苦八苦しているわけですが、研究者個人やグループ内だけでわかっただけではだめで、研究会に出かけて行って発表し同業者と議論するとか、論文を投稿して審査員とバトルするとかしながら完成度を高め、同時に自分の成果を世界に知ってもらうわけです。

ミュンヘン近くのお城!で開催されるこの研究会のテーマは僕の今の研究テーマに非常に近いので、ぜひ参加したかったのです。ほぼ同世代で同じような研究をしているアメリカとカナダの研究者も参加するので、その人たちとも議論してみたかったわけですが、定員60人のところ応募が106人。招待講演者や事務局の人たちが20人いることを考えると、一般参加者の倍率は何と2倍。研究会でこんなに厳しいのってそんなにないと思います。参加申し込みと一緒に提出した発表概要の内容で審査が行われて、参加できるかどうか、口頭発表かポスター掲示かの決定が行われたのです。発表概要がんばって書いたんだけどな。一応キャンセル待ちの中では上位10番以内にいるらしいんですが、どうなることやら。

投稿者 平松正顕 : 21:27 | 研究生活@台湾

2008年5月8日

台湾一か月

台湾に来て一か月がたちました。写真は物理学科の建物7階にある研究室から見る月と新竹市街です。こっちの大学に来た当初に印象的だった細い月が、また見えています。新しい研究室にも引っ越して、外国人居留証も昨日届いて、本格的に家探しも始めて、研究グループの定例ミーティングにも顔を出して、新しいデータも6月から処理を始めることが決まって、思ったよりすんなり適応してあっという間に過ぎた一か月だったように思います。油断してるとすぐにまた次の三日月が見える頃になってしまうので、しっかり仕事を進めていかなければ、と思わせてくれる夜景でした。

投稿者 平松正顕 : 22:25 | 研究生活@台湾

2008年5月4日

台北出張

金曜日は台北の研究所に出張してきました。午前中はプロジェクトのミーティング、午後は Prof. Abe のコロキウムと新人歓迎のティータイム、それから書類を提出してスーパーバイザーとデータについての相談と、盛りだくさんでした。阿部さんとは僕が学部4年のころに流れ星関係の研究で知り合ったのですが、こうして台湾で再会するというのもなんだか不思議な感じです。

研究所は台湾大学の中にあるのですが、校舎の至る所に旧帝大の面影を残すアーチがあってなんとなく懐かしい感じでした。銀杏並木の代わりにヤシの並木ってところがいかにも南国という風情ではありますが。清華大学も緑が多いですがどちらかというと「山の中」な雰囲気なのに比べ、台大は都会の中の緑のキャンパス、という感じでした。南国特有の植物(バナナとか)も多くて、そういう目でも楽しめます。

ティータイムには、所長のポールから新人が6人くらい紹介されたのですが、日本人が4人もいてびっくりです。これまでも日本人が多かったのに、まだ増えているようです。この研究所は非常に国際的で、基本的にはすべて英語で仕事が進んでいます。夜は新人歓迎会を兼ねた夕食に連れて行ってもらいましたが、台湾人が3人、日本人が4人、あとはハンガリースイスフランスカナダスペイン中国(大陸)と、国際的というかもうバラバラ。こういうところに身を置くことは、大変よい刺激になります。普段いる新竹市とは70kmほど離れているのですが、頻繁に研究所に来るようにとのお達しだし、高速バスで片道1時間半160元(500円くらい)とお手軽でもあるので、それなりの頻度で通うことになるでしょう。

投稿者 平松正顕 : 23:01 | 研究生活@台湾

2008年5月1日

研究室引っ越し

台湾に来て3週間仮住まいの研究室にいたのですが、ようやく物理学科の建物の研究室再配置が終わったということで、今日移動を済ませました。

写真は、仮住まいの研究室から南の方向を撮った写真です。正面に見える大きな建物は学生寮のようです。その右側に見える建物はすべて大学の施設です。塔のようなものは人文社会系の研究棟。その左、一番奥に見えるのはつい最近完成した『台積館』。最初のパノラマ写真を撮影したところから直線距離で1km離れたところにあるこのビルは、台湾を代表する半導体メーカーの寄付によってできたもので、建物の名前も会社名から来ています。学生寮の左側、手前にあるのは講堂や学食など。少し遠くには見えるのは、すぐ隣にある国立交通(ちゃおとん)大学と一般のマンションです。清華大学の広いキャンパスは緑も多く、大変過ごしやすいです。とはいえ本格的な夏がやってくれば、暑くてそんなこと言ってられないのかもしれないですが。

昨日は台湾の天文学会年会の発表申込み締め切り、今日は7月にミュンヘンの近くである研究会の発表申込み締め切りということであわただしかったのですが、研究室も落ち着いたことだし、本格的に研究を進められそうです。ミュンヘンでの研究会は定員60名のところ100名近い申し込みがあるようで、参加できるかどうかちょっと不安です。一応世界に誇れるデータと研究だと思っているし、それを伝えられるような発表概要を書いて送ったつもりなのですが。研究会の実行委員会によって審査が行われて、お眼鏡にかなったものだけ参加できるわけで、はてさてどうなりますやら。

フォトアルバム

投稿者 平松正顕 : 21:54 | 研究生活@台湾

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