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2005年11月13日

Outreach Abstract

今日はオーストラリアの電波干渉計 Australia Telescope Compact Array (ATCA) に観測提案を出す準備をしていました。すばるや野辺山の電波望遠鏡など世界の天文台がそうであるように、このオーストラリアの望遠鏡も「こんなことを観測したくて、そうすればこんなことがわかる!」という観測提案(プロポーザル)を出し、審査員がその望遠鏡を使わせるに値する研究であると判断すれば、晴れて望遠鏡を使うことができるわけです。競争倍率は望遠鏡によって違いますが、このオーストラリアの望遠鏡はおよそ3倍程度のようです。観測提案の締め切りは12月15日。海外の望遠鏡にプロポーザルを出すのは初めてですが、良い観測ができるようにしっかり準備したいと思います。

で、この天文台の観測提案のやり方が去年までと変わっていたのでその説明を読んでいたのですが、なかなか興味深いものを見つけました。普通のプロポーザルには "Abstract" という観測の概要を書く欄があるのですが、今回はそれに加えて "Outreach Abstract" というのがありました。

Outreach abstract (200 words maximum)
The ATNF encourages proposers to provide a few sentences that can be used to explain your project to members of the public.

必須項目ではないようですが、一般の人にわかりやすくその研究の意義を説明せよ、ということです。

これまでは研究の還元といえば「成果」を伝えるものが主流だったと思いますが、このように現在進行形の研究の様子を伝える、というのも面白い試みですね。 ATCA では以前から ATCA Live! という、今どのプロジェクトでどの天体を観測しているかを表示する試みがあったのですが、今回の Outreach Abstract はそれをさらに補強するものと言えるでしょう。プロポーザルに書かれた文章がどういう形で一般の目に触れる形になるのかわかりませんが、今後の取り組みに注目です。

日本の天文台でも同じような試みをしてはどうでしょうかね? 野辺山は常時公開していますから、冬場の観測シーズンに見学に来られる方に対しても、今目の前で動いている巨大な望遠鏡が何を明らかにしようとしているのか、を示すことによって、さらに天文学に興味を持ってもらうことが可能になるのではないかと思います。高梨日誌にあるような命名権の販売の際にも有効ですね。

投稿者 平松正顕 : 23:37 | hiramatsu log

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コメント

突然訪問します失礼しました。あなたのブログはとてもすばらしいです、本当に感心しました!

投稿者 グッチ 靴 レディース : 2012年11月10日 04:55

いやしかし今となってはだがこの人のセンターが一番だったな…

投稿者 コーチ 財布 ピンク : 2013年1月5日 11:16

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