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2009年8月19日

野辺山出張、豪雨

ブログの更新が滞ってしまいました。
8月8日から5日間、野辺山宇宙電波観測所に出張してきました。今回は観測ではなく、研究打ち合わせが目的でした。これまでの観測成果を持ち寄り、これから観測提案が募集されるハワイやオーストラリアの望遠鏡にどんな観測を提案するか、今後の協力の方針の議論や論文執筆の打ち合わせなど行いました。普段はメールやテレビ会議での議論が中心ですが、たまには面と向かって集中的に話し合いをする機会も重要です。今回は、アメリカが打ち上げた赤外線宇宙望遠鏡Spitzerで新たに見つかり始めた暗い天体についての議論がメインだったのですが、ひとつの望遠鏡の観測結果だけだと素性がよくわからない天体も、複数の望遠鏡の結果を合わせて考えてみると実は重要な兆候が見えてる(かもしれない)、という結論に。今回も大変実りの多い出張となりました。

台湾を発って日本に向かった8月8日は、ちょうど台風8号が台湾を襲っていた日です。前日の時点で飛行機の遅延が決定していたのですが一応飛ぶということで、新幹線は動いてなさそうだったのでタクシーで空港まで行きました。台風がほとんど真上にいるはずなのにそんなに風雨は強くなく、飛行機も遅延予定時刻通りに飛びました。

今回の台風も大したことないのかな、とその時は思っていたのですが、日本についてからニュースを見て台湾南部では大変なことになっていたというのを知りました。僕の住んでいる新竹市も空港も北部にあるのですが、南北でこれほど違うとは(ちなみに台湾の大きさは九州くらいです)。激しい所では3日間で3000mmという猛烈な雨が降り、特に山間部では土砂崩れも多発したようです。村一つまるごと濁流に飲まれてしまうとか、道路や鉄道もいたるところで寸断されているようで、復旧にも時間がかかりそうです。

昨年の6月に所属する天文研究所の所員旅行で台湾中部の阿里山に行ったのですが、この一帯もかなりダメージを受けているようです。日本統治時代に木材搬出用として作られ、今は高山鉄道として観光客を乗せて走っている阿里山森林鉄路も線路が崩れたりトンネルがつぶれたりして、復旧には2年かかるとも言われています。山頂で日の出を見ることができたりヒノキの大木の間を散策することができたり、とても美しくていいところだったので、今回の被害は大変心が痛みます。1日も早い復旧を願っています。

投稿者 平松正顕 : 23:36 | 研究生活@台湾

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コメント

ニュースで台湾の豪雨被害を見て、お住まいのところは大丈夫なのかなぁと気にしておりました。ご無事で何よりです。
地震に豪雨にと被災地の方は本当に大変だと思います。一日も早い復興を祈るばかりです。

野辺山にいらしてたのですね。
研究の方針(?)ってそのように練るんですね。今後の成果が楽しみです。

今週末は野辺山、来週末は岡山の一般公開に行ってきます。どちらも初めてなので、とても楽しみです!
岡山は倉敷科学センターの観望会にも参加してみようかと思ってます。あわよくば倉敷天文台にも行ければと欲張ってみたり♪
倉敷天文台は行かれたことありますか?
トレハロースで有名な「林原」にも興味津々です。倉敷は観光地以外も見所満載ですね☆

投稿者 北千住天文クラブ員 : 2009年8月21日 00:14

こんにちは
野辺山天文台にいらしていたんですね。
ご無事で良かったです!

台湾の台風被害には驚いています。
3日間で3000mmの豪雨は、あまりにもひどく、被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。

複数の望遠鏡の研究成果を付き合わせて、解明していくということは、これからますます重要になっていくんですね。
HD209458も、 ケック天文台・ ハッブル宇宙望遠鏡・ スピッツァー望遠鏡の観測結果で、 主星の自転軸と惑星の公転軸がわずかにずれていることを発見したものですね。
国際協力も重要ですね。

投稿者 sopuranovoce : 2009年8月21日 14:03

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