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2005年7月5日

DEEP IMPACT

ごぶさたです。6月は観測と研究会と研究打ち合わせのためにチリとアメリカに出張していて更新できませんでした。アメリカではボストンとニューメキシコ州のアメリカ国立電波天文台に滞在しました。アルバカーキでは地元の博物館でプラネも見てきました。書きたいこともいくつかあるので、またの機会に。

高梨日誌、塚田日誌でも取り上げられてなんだか書かないといけない雰囲気な Deep Impact ですが、別の作業をやりながら NASA TV で衝突の前後30分くらい見てました。世界中の人が繋いでるはずなのにさほどストレスなく中継を見ることができ、NASAのサーバーの強さにも驚きです。インパクター衝突が確認された瞬間の歓喜のコントロールルーム、よかったですね。そして衝突数分前まで研究者がカメラの前で解説しているのも驚きでした。しっかりと自分の言葉でミッションの魅力と意義を伝える場が準備されていることはとてもすばらしいことだと思います。

日本でも、当日のニュースでよく取り上げられていました。NHKは夜7時と10時のニュースで結構しっかりと報道していましたね。CGや模型を使って、どんな計画か、何がわかるのか、についてちゃんと解説していました。ただ、10時のニュースでは、塚田君の報告にあるとおり映画ディープインパクトの1シーンを持ってきて、スペースガードの話と関連付けて報道していたのが気になります。

「彗星核の正体や太陽系の起源に迫るだけでなく、将来地球に衝突する可能性のある小惑星/彗星が見つかった時に備えて、インパクター衝突による軌道修正の可能性を探る。」

というのがNHKの言う Deep Impact ミッションの説明だったんですが、そんな目的があったんですか?初めて聞いたんですけど。NASAのプレスキット (pdf) にも「軌道は変わらないだろう」って書いてありますし、スペースガードの話は一言も書いてありません。ミッションの名前から映画を連想してしまうのは当然ですが、勝手な憶測に基づいた報道だとしたら、それはやめてもらいたいものです。NASA スタッフからの裏情報なら知りませんが。

さらに、高梨日誌に書いてある翌朝の民放での放送、僕が見たのと同じかもしれません。僕はそのコーナーの最後だけをチラッと見ただけなのですが、朝9時半くらいでしたかね、キャスターの横のモニタに「総予算 360億円」とかかれてあったように思います。そしてとある方がボソッと「壮大なる無駄遣い」と言ったような気がしました。僕の聞き違いかもしれないのでどなたの発言かは書きませんが、著名なジャーナリストです。ハッブルやすばるのきれいな画像も、マーズローバーの成果も、160を超える系外惑星の発見も、一連の無駄遣いなんですかね。ぜひ一度聞いてみたいです。無駄遣いであるという意見なのであればどこがどう無駄遣いなのか、しっかりと議論していただきたい。ちゃんとした考えもない、言いっぱなしのコメントはやめて欲しいですね。と同時に、こういうミッションで何がわかって何が面白いのか、をきちんと伝えていく必要もあるでしょう。明日は内之浦から エックス線天文衛星 Astro-E2 の打ち上げがあります。それで何がわかるのか、何が面白いのか、しっかり伝えていきましょう。

投稿者 平松正顕 : 21:02 | 報道にコメント

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コメント

今日は〜^^またブログ覗かせていただきました。よろしくお願いします。

投稿者 グッチ アウトレット 店舗 : 2012年11月10日 04:53

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