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2007年12月27日

iPS細胞への支援

なんとか論文は提出しました・・・。一ヵ月後には審査が待っているのでなかなかほっとはできませんが。

そんな忙しい中でも京大・山中教授のiPS細胞関連のニュースは興味深く見ていました(科学政策ニュースクリップにまとめあり)。 様々な機能を持つ細胞を受精卵ではなく皮膚細胞から作れるということで、一躍注目の的になり、100億円クラスの研究資金も急遽つぎ込まれることが決まったとのことです。こんな急展開を作り出す発見というのはそうそうないでしょう。

この手の研究で常に障害になってきた倫理的問題を大きく軽減し、様々な応用に道を開いたという意味でとても意義深い研究だと思いますし、山中教授とそのグループの皆さんの努力には最大限の敬意を払いたいと思います。でも心のどこかでなんとなく気がかりなのは、韓国の黄禹錫教授のES細胞捏造事件。発表した当時は一大発見として取り上げられ、国を挙げての支援が一気に決まり、メディアからも賞賛オンリーであったと聞きます。それが実は、医療や生命科学だけでなく科学全体を揺さぶる捏造であったわけです。こんなこと言うのは山中教授たちのグループには大変失礼だと思いますが、「今回は大丈夫なんだろうね?」と思ってしまいます。

もちろん山中教授のグループは真実に忠実であると信じたいですし、似た方法で別のグループが同様にiPS細胞の作成に成功しているとのことですから捏造ってことはないのでしょう。しかし、別のグループが成功していることでここで立ち止まって悩んでいては海外に負けてしまうという事情もあるとはいえ、政府もメディアも手放しでどっと一方向に流れてしまっている(ように見える)ことにちょっとだけ恐ろしさを感じてしまった今回の一件でした。

うーん、こういう文章書くのは難しいですね。ぜひ頑張ってよい成果を出して欲しいと応援しているのですが、どう書いても山中教授のグループには失礼に当たってしまう気がして。そんなつもりはないのですが。

投稿者 平松正顕 : 00:15 | hiramatsu log

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