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2009年2月13日

国境を超える星空

世界天文年2009の公式サイトに、インドとパキスタンを結んで行われた天体観察イベントの紹介が掲載されています。インドとパキスタンといえばカシミールの帰属をめぐる紛争などが絶えない地域ではありますが、国境を挟んで数km離れた二つの村でこのイベントは行われました。それぞれ地元の天文同好会のような組織がそれぞれの村にある国際NGOのSOS children villageを訪れて、月の満ち欠けや日食の仕組みの解説をした後、外に出て望遠鏡で月を見たそうです。残念ながらパキスタン側では天気が悪くてほとんど月を見ることができなかったようですが。そのあとは二つの会場をつないだ電話セッション。"We are your friends"という呼びかけや、またやってほしいというリクエストも出てきたそうで、子どもたちも楽しんだようですね。

天文年の公式予告編ムービーでは、"One Earth, One Sky" という言葉が出てきます。今回のイベントは、現在世界で行われている天文学研究とは遠いですし、この一度のイベントがあったからと言って印パの紛争が収まるわけではありません。それでもやはり天文/科学をきっかけにこういうイベントができて、憎しみとは対極にある何かが子どもたちの心の中に少しでも生まれてくれたらうれしいなと思います。ともすれば天文学者さえ「役立たない」と言ってしまう天文学ではありますが、やはり人の幸せのために役立たなくてはいけません。

投稿者 平松正顕 : 23:50 | 世界天文年2009

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コメント

インドとパキスタンの紛争は、何度も報道で見ていますが、天文学を通じて、少しでも歩み寄ることができたら良いですね。
"We are your friends"は、素晴らしい言葉ですね。
こんなに小さくて、でも貴重な地球は、たった一つですものね。
願いが届くと良いですね。

投稿者 sopuranovoce : 2009年2月20日 07:09

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