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2010年6月21日

はやぶさ・イカロス 海外での反応

先日のブログエントリに続いて、「はやぶさ」の海外での反応についてまとめようと思います。せっかく日本の外にいますので。

帰還数日後、台湾のテレビ局東森新聞台(ETTV)で、30分以上にわたって「はやぶさ」の帰還と、つい先日金星探査機「あかつき」と一緒に打ち上げられたソーラー電力セイル実証衛星「イカロス」についての番組が放送されていました。たまたまつけたテレビで見つけ、途中から見ていました。中国語が聞き取れなくても中国語字幕はなんとなく意味がつかめるのがよいところ。動画は星コンスタッフブログにまとめられているようです。この番組は一人の司会者が数人の専門家に話を聞く形式だったわけですが、JAXAやNHKのCGを使いながら「はやぶさ」「イカロス」に使われた技術や「はやぶさ」のイトカワ探査の意義(地球接近小惑星への対処)などが取り上げられていました。この番組、実は前にも見たことがあるのですが、怪しい番組だなぁ、という印象しかなかったのです。電波望遠鏡で暗黒物質を観測するとか(たぶん暗黒物質と暗黒星雲を取り違えてる)、暗黒物質が地球と太陽の間に入ってきて地球が寒冷化するとか、そういう怪しいことをしゃべってる「専門家」が出てたので。そんなこと言ってるのは特定の人なんですが、今回はその人はスタジオにいなかったのが良かったのかもしれません(笑)。とにかく、こんなに時間を割いて放送してくれるなんてすばらしいことです。

台湾の新聞もいくつか取り上げていました。例によって漢字から意味を推測するくらいですが。
燃燒火鳳凰「隼號」太空船成功返地球 激發日人熱情
日無人太空船隼鳥號著陸 解宇宙之謎


アメリカ惑星協会も、「はやぶさ」「イカロス」を大きく取り上げています。今日現在惑星協会のトップページには "Welcome Home Hayabusa!" の文字が躍っていますし、協会の代表であるLouis D. Friedman氏も"The Hayabusa Adventure"として称賛の文章を寄せています(6月23日追記:松浦晋也さんのブログにて、日本語訳が公開されています。『松浦晋也のL/D 惑星協会フリードマン博士の文章を翻訳しました』)。「はやぶさ」「イカロス」について多くの記事をブログに書いているエミリーさんもAmigurumi を作ったりなんかして。

また、惑星協会のポッドキャスト、Planetary Radioでも「はやぶさ」「イカロス」が大きく取り上げられています。帰還前の6月6日配信分でも、「はやぶさ」の最終軌道修正が終了したということに言及されています。また「イカロス」の帆の展開を見にJAXAを訪れたFriedman代表の(成田空港のラウンジからの)インタビューもあります。「企業と学生とプロフェッショナルの協力が素晴らしい」「政府機関と産業界の協力が非常にうまくいっている。アメリカでも同様の協力がこれからより盛んになるだろう。」「(惑星協会が構想するソーラーセイル計画に対して)技術的にもお互いに学ぶところがある。」そして「(金星探査機「あかつき」も含め)3つのエキサイティングな惑星間ミッションを400人のJAXAでやってるのがすごい」との称賛ぶりです(JAXAのウェブサイト見ると職員数1600人となってるので、ここは何かの勘違いのようです。これらのミッションを担当している宇宙科学研究所は職員数300人くらいだそうなので、それと混同してるのかもしれません。いずれにしても、それくらいの人数の部署でやってるというのは変わりませんが)。また、新代表に選出されたBill Nye氏は、つい最近民間企業初のロケット打ち上げを成功させたスペースX社のFalcon 9と日本のソーラーセイル実証機「イカロス」の2つが、宇宙に行き宇宙を航行する新たな道を提供するマイルストーンである、と述べています。

また、「はやぶさ」帰還直後6月13日(アメリカ時間)配信分では、帰還成功とNASA DC-8から空撮されたようすを伝え、また日本での盛り上がりの様子も関心を呼んでいるようで、とてもemotional (感情的)で、漫画や動画など uniquely Japanese way(日本独特の方法)で一般に浸透した、と評されています。Bill Nye新代表は「はやぶさ」帰還を"Cool!!"を連発して称えています。

「はやぶさ」もそうなのですが、「イカロス」への惑星協会の注目度が高いのは理由があります。それは彼らもソーラーセイルを実現しようと頑張ってきたから。2006年8月27日、国際天文学連合の総会@プラハで惑星の定義が採択された直後のPlanetary Radioでも、惑星協会の会員募集の中でアポロ11号の飛行士バズ・オルドリン氏が惑星協会のミッションを語るなかで、「世界初のソーラーセイルを作ります。」と言っています。実際これまで試験機を2回打ち上げていますが、いずれもロケットの不具合でソーラーセイルの実験をする前に失敗。そんな中、日本から打ち上げられた実証機が宇宙で帆を広げたというのは、彼らにとっても見逃せないニュースなのでしょう。Bill Nye氏が言っているように、「宇宙開発と言えばNASAの独壇場」という時代ではなく、Space Xのような民間企業や日本をはじめとするアジアの国々も力をつけてきているというのが彼らにも如実に感じられる1週間だったということでしょう。

そして海外だけじゃない、日本のすばらしいまとめ記事 by アスキー。注目が集まっている今だからこそ受け入れられる濃く深い内容かもしれませんが、断片的な情報じゃなくてこれまでとこれからをきちんとまとめられた記事が今絶対に必要ですね。

投稿者 平松正顕 : 22:16 | hiramatsu log

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コメント

匿名なのに、私には誰だか分かる・・・(^_^;)ありがとう。。。

投稿者 グッチ アウトレット : 2012年11月10日 07:51

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